食材別効能その6

陽虚症に対する食材

”陽”は温煦を主り五臓六腑、気血津液精を温暖にする作用がある

”陽虚”とは陰陽の”陽気が不足”し寒証が生じたものである

これを虚寒という

寒がり、四肢の冷え、寒冷を嫌い温暖を好む

舌は淡泊で胖大、脈は沈虚で無力、甚だしければチアノーゼ、水様便、惰眠傾向となる

治法は補陽で食養生としては

禁忌品:氷飲料やアイス品、冷やしたジュースお茶、

    果物は夏みかん、バナナ、西瓜、梨、柿、枇杷、

    キュウリ、苦瓜、セロリ、竹の子、カニ等

好ましい食品:サクランボ、竜眼肉、栗、クルミ、松の実

    生姜、ニラ、胡椒、南瓜、人参、山芋、
    
    牛肉、鶏肉、エビ、ナマコ、うなぎ、アワビ等

夏に太陽に当たらず、発汗せず、冷飲食をし、エアコンの使い過ぎは

秋から冬に寒邪に侵されやすくなり、風邪や頻尿、関節痛を発症するので

夏の過ごし方が大変重要

食材別効能その5

陰虚証

陰とは血や津液(体液、内分泌液)を意味する

陰虚とは血や津液を消耗した結果内熱が生じて(虚熱)

のぼせやほてり口渇などの症状が現れる

典型的な陰虚証では舌色が紅色が濃く、舌苔がなくなり

舌は乾燥して裂紋というひび割れがみられます

陰虚により相対的に陽気が亢進した状態なので

単に陽気に対する清熱ではなく慈陰潜陽を図る

温燥品、辛辡品、濃厚な味付けは陰を傷つけるので過剰な摂取は厳禁

胡椒・山椒・桂皮・ピーマン・ネギ・生姜・ニラ等は摂取を控えること

甘酸っぱいものは陰化するものが多くお勧めできる

ブドウ・枸杞・レモン・梨・柑橘類・西瓜・冬瓜・きゅうり・ほうれんそう・生蓮根

新鮮な蓮根は陰虚内熱の人には最適といえる

いずれも重要なことは、お勧め食品と禁忌食品を格別に区分して

摂取しないこと、あくまで適切なバランスが大切だ

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食材別効能その4

補血の食養生

1・赤や黒色の有食品を積極的に食する

  これらの色の食品はミネラルやポリフェノールを多く含むものが多く

  造血作用や体温を上げる作用を持つものが多い

  
  トマト・枸杞の実・黒キクラゲ・黒ゴマ・黒豆・鳥骨鶏・レバー

  ほうれん草・金針菜・ニンジン・牡蛎・豚肉

  ブルーベリー・プルーンは特にお勧め
  
  酸味のあるドライフルーツは補血作用を助ける

  冷飲・生もの・脂っいもの・刺激物の摂取は避ける

  甘すぎるものや辛すぎるものは避ける

  ダイエット・朝食抜き・偏食は厳禁

  適度な運動と十分な睡眠が必要

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アトピー性皮膚炎に照海穴

40代女性

生後間もなくアトピー性皮膚炎発症

以降増悪寛解を繰り返す

発汗で発疹、痒みが悪化

脈は滑弦で右関上に枯脈

舌は紅舌で無苔

腎陰虚証と診たて

左照海に3番鍼横刺で15分置鍼

その夜から数年ぶりに足が火照らず、熟睡できる

発疹、痒みも一気に寛解

たった3回の治療で良好な経過を示した症例

食材別効能その3

補血の食養生

血虚とは臓腑、経絡に栄養が行き渡らずその原因に起因する症状をいう

血虚の症状:唇は淡泊色、顔色に艶がない、ふらつき、立ちくらみ、動悸

      舌色淡泊、生理不順、月経量の不足、閉経等

対応:陽を補助して益気補血が原則

以下次回に続く

食材別効能その2

気虚に対する食材の効能(続き)

粳米:補中益気・益脾和胃・

糯米:補中益気・気虚証・脾虚泄瀉

大麦:益気健脾・脾胃・虚弱・利小便

栗米:補虚益腎・健脾胃・清熱

黒砂糖:補中緩急・和血袪瘀・貧血・脾胃虚弱

飴糖:緩中・補虚・生津・潤燥・

蜂蜜:補中益気・潤燥・止痛・解毒

牛乳:滋養補虚・生津潤腸・気血不足

豚肉:滋陰・潤燥・便秘

羊肉:益気補腎・温中暖下・虚労痩・虚冷

鶏肉:補中補脾・益気養血・補腎精

食材別効能その1

気虚証に対する補気の作用をもつ食材別の効能

キャベツ:補腎強筋・健胃止痛・胃十二指腸潰瘍

ブロッコリー:血液浄化・動脈硬化の予防・粘膜強化

カリフラワー・補中益気養血・脂質抑制・抗癌

ササゲ:健脾・利湿・補腎渋精・補腎健胃

香茹:益気補虚・健脾胃・降脂抗癌

えのき:補肝・益胃腸・肝病、潰瘍を主治

さくらんぼ:益気健脾・養胃・除湿・脾胃虚弱

南瓜:潤肺・利尿・解毒・食欲増進

馬鈴薯:健脾益気・消炎解毒・胃潰瘍・便秘

里芋:益胃寛腸・便通解毒・補益肝腎

甘藷:健脾益胃・乳汁促進・腎陽虚・便秘

トウモロコシ:健胃調中・降濁利尿・降血糖・血脂

いんげん豆:和中化湿・消暑止渇・脾虚の食欲不振

落花生:養血止血・潤肺・止咳・利尿・抗老化

栗:養胃健脾益神・補腎強筋・活血

豆乳:潤肺・消化吸収促進・利大小便

豆腐:鎮熱・解毒・利尿・乳汁促進

注)効能にあるからといって同じ食材ばかり食することは当然NGです

気虚に対する食材

気虚証に対する補気の食材

気虚の症状:「元気不足」臓器の機能が衰退することで現れる症状

      顔面蒼白・精神不振・無気力・眩暈・自汗・ふらつき・動悸

治側:益気補虚

代表的な食材の例:五臓に対応した分類

脾胃:キャベツ・ブロッコリー・里芋・インゲン豆・牛肉・羊肉・鶏肉・しらうお

   太刀魚・鯖・鯛

脾胃大腸:カリフラワー・トウモロコシ・豆腐

胃腎:ササゲ・

肝胃:香茹・エノキ

肝腎胃:さくらんぼ

胃大腸・南瓜・馬鈴薯

肝脾:甘藷・あなご

胃腎大腸・トウモロコシ

脾肺:落花生

脾腎:栗・羊肉

肺胃脾:豆乳

脾胃大腸:豆腐

胃脾腎・粳米・栗米・豚肉

脾胃肺:糯米・飴糖

脾胃膀胱:大麦

脾胃肝・黒砂糖

肺脾大腸:蜂蜜

心肺:牛乳

脾肺:どじょう

肝脾腎:うなぎ

中医薬膳セミナー

昨日は(一社)愛知県鍼灸専門師会主催のセミナーだった

中医薬膳セミナー第1回「体質対応・弁証中医薬膳の話」

講師の西川 修先生は北京中医薬大学卒業の正真正銘の中医師

薬膳セミナー講師としてTV出演、講演、新聞雑誌の執筆等

大変多忙かつ有名な先生

日本で広く言われている所謂”薬膳”は殆どデタラメで

”薬膳”とは正式には中医栄養学に基づいて作られた食べ物をいう

個々の患者さんの体質に合った食材と調理法があるので

弁証論治をして証を立てたうえで処方すること

これが本物の薬膳料理という

大阪出身の先生らしく難解な用語を解りやすくユーモアを交えて

時間オーバーのエキサイティングな講義だった

第2回目を1月にお願いしているので楽しみだ

大人の発達障害

最近大人の発達障害が問題になっている

患者さんの心理社会的背景を聴取していると

発達障害の範疇で特にADD(注意欠陥障害)

が疑われる成人が企業に紛れ込んでいることは間違いなく

子供の発達障害がクラスに1人と言われているように

大企業に在職中の社員であっても

本人も周囲もADDとの認識がないと思われるケースは多い

同じことを何度注意しても間違いを繰り返す

並行して複雑な業務ができない

一つの仕事をこなすのに時間がかかる

デスク周りが片づけられない等々

「どうしてこんなことができないの!」

とイライラする前にADDを疑い上司に相談することだが

上司が発達障害に理解がないことがほとんどで

その人の周囲は仕事を進めるうえで大きな障害となっている

管理職であれば大人の発達障害への理解を深めるための勉強が必要だ