肺と皮膚の関係

≪黄帝内経・素問≫五臓生成論 第十

肺と協力して気を主り、かつ肺の機能を反映するものは皮膚である

肺の機能が華やかに体表に表れるところは毛である

肺の機能を制御するのは心である

【解 説】

古代の医師たちは、肺が皮膚と合同関係にあることを如何に知ったのか

現代医学的にはともに呼吸機能を行い、相補的な関係にある

または肺は呼気として体液を輩出しており(不感蒸発)

皮膚の発汗とともに水分代謝に関係している

現代医学的には、心と肺は運動時に共同作業をしており

心不全では肺鬱血を起こし

肺炎時には心臓に負担がかかる

といったような相関関係が知られているが

2千年前に中国古典医学でこの関係を発見していたことは驚きだ

オキシトシンの効能

昨日は小児はりやタッチングによってオキシトシンが分泌されることを書いた

オキシトシン(Oxytocin)とは子宮収縮ホルモン・射乳ホルモンとして有名であるが

近年では良好な人間関係を築き、社会生活をする上でなくてはならないホルモとして注目されている

オキシトシンは脳内に分泌され、オキシトシン受容体を発現するニューロンに働きかけ

機能として・社会人知能能力・個体識別能力・社会行動・母子関係などに関与し

良好な母子関係や、人間関係を築く上でなくてはならないホルモンといわれ

精神的、身体的ストレスの緩和を図り、心身とも良好な状態に維持、改善するなどの

多様な効果があることが明らかにされてきた

社交性の高い人が、社交性の低い人に比べて健康で長生きすることが報告され

また、社交性の高い人はストレス耐性が発達しているとも報告されている

ここにオキシトシンの関与があることが解ってきた

「身体の触れ合い」「肌のぬくもり」「愛撫」などの体表刺激によって

ストレスは緩和されるとされ、それにはオキシトシンの効果が関与していると考えられている

日本人は欧米人と比べ親子・夫婦関係において

関係が長くなるほど肌の触れ合いが少なくなる傾向にある

文化の違いがあるので親子関係での肌の触れ合い(ハグ)などは無理としても

夫婦関係では年齢ともに少なくなる傾向の肌の触れ合い(タッチングや愛撫・ハグ)は

心身の健康を維持する上でもとても大切なことでもある

小児はり・タッチングの効果

昨日の小児はり学会での基調講演

明治国際医療大学特任教授 矢野 忠先生

小児はりの心地よい皮膚刺激により

様々なホルモンや生理活性物質が産生されることを学んだ

小児疳の虫、夜尿症、胃腸障害、睡眠障害等は勿論

てんかん、発達障害に於いても良い効果を表すことを我々は経験してきた

タッチングという手指や手掌で皮膚表面へのフェザータッチにより

オキシトシンというホルモンが分泌されることが解っている

オキシトシンは自閉症や発達障害の治療効果は勿論

良好な母子関係や人間関係を築く上でなくてはならないホルモンだそうだ

人間の皮膚のセンサーは脳神経と直結しているので

鍼やフェザータッチの皮膚刺激が

オキシトシン以外にも

様々な生理活性物質を産生することで

疾病治癒に有用であることが理解できた

小児はりの理論や様々な手技を見て体験し

多くの学びを得ることができた

大人のADHD

不注意なミスが多い

じっとしていられない

衝動のコントロールが難しい

こんな特徴がある注意欠陥・多動性障害(ADHD)

子供に多い発達障害と思われていたのが

大人のADHDも多いことが解ってきた

同じことを何度注意しても

覚えられない・注意力がないなどで

困っている事例は多いのでは

大人の場合は正確な診断を受けて

告示と傷害の説明をすることで

「自己評価を高めること」がポイント

繰り返すミスを防止する方法を一緒に考えたり

上手く行動できたと時の「ご褒美」を

本人と一緒に考える等の支援が有効という

ADHDの人は新しいことに取り組むのが得意で

発想が豊か、瞬発力や社交性もある

排除ではなく得意なことを伸ばす方向で考えるといった

配慮を社内で共有し実行することが必要

子供の風邪

先日の中日新聞のコラムに

子供の風邪には薬を一切出さないという

開業医師紹介記事があった

髄膜炎や脳炎の鑑別は必要であるが

所謂風邪の初期症状に抗生剤は必要ないどころか

一切薬を出さないという信念は素晴らしいと思う

http://www.sodatsu.com/article/dr_04_01.html

ドグマチールの副作用と思われる薬剤性パーキンソン病の症例

ドグマチールを数年間内服していた患者さん

食欲が益すからと倍量内服を始めて4週間(担当鍼灸師も医師も知らず)

歩行のふらつき・手の震え・下肢が重だるくて

短距離も歩けないと訴えはじめた

ドグマチールの働きには”ドーパミンを遮断する”とある

薬剤性のパーキンソン病に至った症例

ドグマチールを徐々に減薬し中止、メネシットの処方

鍼治療は補腎と寫火の処置で徐々に改善し

バスでの来院ができるようになった

漫然と数年間にわたってドグマチールを処方することが

如何に恐ろしいかを身近に感じた症例

肝鬱気滞の坐骨神経痛

70代女性

突然の坐骨神経痛で歩行が困難

甘草附子湯で痛みは半減したが

歩行が困難

脈診は洪大

舌診は舌辺が紅

弁証:肝鬱気滞→肝胆同病→胆経腰痛

処置:左後谿10分置鍼

効果:著効、歩行時の杖は不要となる

背景:仕事が急に増え廃業を考えるほど神経的に参っていた

心神を安定させる後谿の効果はすごいと感じた症例

噛み合せと頚部痛

信頼している矯正歯科の専門医の先生から

歯を噛んで前歯の上下が当たっている(接触している)と

後頚部痛が起きるのは何故かを尋ねられた

慢性の頚部痛や胸鎖乳突筋に緊張が見られる症例では

初診時に必ず歯列の乱れ・顎関節の動き・噛み合せを診ている

すると前歯の上下が当たっている(接触している)患者さんでは

慢性の後頚部痛の訴えが多いことが解る

頸椎を触診するとC1~3で側弯が認められたり

僧帽筋の付着部の経穴(天柱)に緊張や圧痛が認められる症例が多い

立位で前歯の位置を後ろに水平線をひくと

上部頚椎の位置と一致することが解る

空間診(上下左右前後の法則)で考えると

前の上の異常が後ろの上に表れるという

ことが証明されるので

矯正歯科の先生には前後(表裏)のアンバランス

と説明させていただいた

噛み合せと身体症状を診ることのできる矯正歯科医師は

ほとんどいない!という現実に驚き

沢山の患者さんを救っていただいている

K先生との奇跡の出会いに感謝!

K先生のクリニックHP

http://www.komatsu-kyosei-ka.com/

左公孫

40代女性

乳がん手術後のケアで通院中の患者さん

いつも一本の鍼で体中に気血が巡って

治療中に先生今日もすごかった!と感動される

今日は膝と背中の痛みで

左公孫に置鍼中に

右の背中の痛かったところまでまでビンビン気が巡って

痛みが消えました~すごーい!と感動

鍼は本当に奥が深くおもしろい

問診デビュー

毎週土曜日は決まって予約はぎっしり入っているにも拘らず

初診や再診の電話が多い

今日も新患さんが3人入っているところに

急患さんの電話があり

発症3日目の急性疼痛疾患で土曜日しか来れないとなれば

心情的にもお断りできず

診療の最後に来ていただいた

こんな時先日の院内勉強会でのトレーニングが役立ち

急遽O先生の問診デビューとなった

初回にしては及第点の問診とのF先生の評価に

O先生よかったね