良い睡眠12箇条その12

【第12条・眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を】

専門家に相談することが第一歩

薬剤は専門家の指示で使用

寝つけない、熟睡感がない、十分に眠っても日中の眠気が強いことが続くなど

睡眠に問題が生じて、日中の生活に悪い影響があり

自らの工夫だけでは改善しないと感じた時には

早めに専門家に相談することが重要です

例えば、ひとり夜眠れないでいることはつらいだけでなく孤独感を感じるものです

そのつらさは家族にもなかなかわかってもらえないことがあります

そのため、相談できる人を持つことは大きな助けとなります。

苦しみをわかってもらうだけでも気持ちが楽になり

さらに、睡眠習慣についての助言を受けることで

睡眠が改善する手立てをみつけることができる可能性があります

また、よく眠れない、あるいは日中眠たくて仕方ないなどと感じたら

それは「からだやこころの病」の兆候かもしれません

身近な専門家に相談することが大切です。

睡眠薬などの薬を用いて治療を受ける際は

医師に指示された用法や用量を守り、薬剤師から具体的な服薬指導を受けることが重要です

また、薬とお酒とを一緒に飲まないことは特に重要です

お酒と睡眠薬を同時に飲むと、記憶障害、もうろう状態等が起こる可能性があり、危険です

「厚生労働省健康局発信の健康づくりのための睡眠指針より抜粋」

できるだけ薬に頼りたくない場合

東洋医学的に診たてる鍼灸治療は有効な選択肢といえます

良い睡眠12箇条その11

【第11条・いつもと違う睡眠には要注意】

睡眠中の激しいいびき・呼吸停止、手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意

眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談

睡眠中の心身の変化には、専門的な治療を要する病気が

隠れていることがあるため注意が必要です

睡眠中の激しいいびきは、喉のところで呼吸中の

空気の流れが悪くなっていることを示すサインであり

睡眠時無呼吸症候群などの睡眠中の呼吸に関連した病気の可能性があり注意が必要です

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、適切な治療を受けることで症状が改善し

高血圧や脳卒中の危険性が減ることも示されています

このため、睡眠時無呼吸症候群の予防と早期発見が重要です

また、就寝時の足のむずむず感や熱感はレストレスレッグス症候群

睡眠中の手足のぴくつきは周期性四肢運動障害の可能性があります

これらの病気があると、一定時間眠っても休息感が得られず

日中に異常な眠気をもたらすことがあります

さらに、睡眠中の歯ぎしりがある人は顎関節の異常や頭痛を持つことが多いことが示されています

いずれも医師や歯科医師に早めに相談することが大切です。

また、うつ病の多くでは、寝つきが悪く、早朝に目が覚めたり

熟睡感がないなどの特徴的な不眠を示します

こうした特徴的な睡眠障害を初期のうちに発見し適切に治療することは

うつ病の悪化を予防することにつながります

きちんと睡眠時間が確保されていても日中の眠気や居眠りで困っている場合は

ナルコレプシーなどの過眠症の可能性もあるので

医師による適切な検査を受け、対策をとることが大切です

以下続く

良い睡眠12箇条その10

【第10条・眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない】

眠たくなってから寝床に就く、就床時刻にこだわりすぎない

眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする

眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

寝つける時刻は季節や日中の身体活動量などにより変化し

一年を通じて毎日同じ時刻に寝つくことが自然なわけではありません

就寝する2〜3 時間前の時間帯は一日の中で最も寝つきにくい時間帯です

不眠を経験すると、心配になって早くから寝床に就こうとしがちですが

意図的に早く寝床に就くと、かえって寝つきが悪くなります

就床時刻はあくまで目安であり、その日の眠気に応じて

「眠くなってから寝床に就く」ことがスムーズな入眠への近道です

不眠を経験し「今晩は眠れるだろうか」という心配を持ち始めると

このことによって緊張が助長され、さらに目がさえて眠れなくなってしまいます

こうした場合、いったん寝床を出て、リラックスできる音楽などで気分転換し

眠気を覚えてから、再度、寝床に就くようにするとよいでしょう

寝床に入る時刻が遅れても、朝起きる時刻は遅らせず、できるだけ一定に保ちましょう

朝の一定時刻に起床し、太陽光を取り入れることで、入眠時刻は徐々に安定していきます

積極的に遅寝・早起きにして、寝床で過ごす時間を適正化することが大事です

以下続く

良い睡眠12箇条その9

【第9条・熟年世代は朝晩メリハリ、昼間に適度な運動で良い睡眠】

寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣を

適度な運動は睡眠を促進

健康に資する睡眠時間や睡眠パターンは、年齢によって大きく異なります

高齢になると、若年期と比べて必要な睡眠時間が短くなります

具体的には20歳代に比べて、65歳では必要な睡眠時間が約1時間少なくなると言われています

したがって、年齢相応の適切な睡眠時間を目標に

就寝時刻と起床時刻を見直し、寝床で過ごす時間を、適正化することが大切です

長い時間眠ろうと、寝床で過ごす時間を必要以上に長くすると

かえって睡眠が浅くなり、夜中に目覚めやすくなり、結果として熟睡感が得られません

適切な睡眠時間を確保できているかを評価する上では、

日中しっかり目覚めて過ごせているかも一つの目安になります。

一方で、日中に適度な運動を行うことは、昼間の覚醒の度合いを維持・向上し

睡眠と覚醒のリズムにメリハリをつけることに役立ち

睡眠を安定させ、熟睡感の向上につながると考えられます

以下続く

良い睡眠12箇条その8

【第8条・勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を】

日中の眠気が睡眠不足のサイン

睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる

睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる

午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善

必要な睡眠時間は、個人によって大きく異なり、また、年齢によっても変わります

一人ひとりが、自分に必要な睡眠時間を知ることが大切

自分の睡眠時間が足りているかどうかを知るためには

日中の眠気の程度に注意するとよいでしょう

日中の仕事や活動に支障をきたす程度の眠気でなければ

普段の睡眠時間は足りていると考えられます

睡眠不足は、注意力や作業能率を低下させ

生産性を下げ、事故やヒューマンエラーの危険性を高めます

自分では眠気による作業能率の低下に気が付かないこともあります

睡眠の不足を休日などにまとめて解消しようとすることを「寝だめ」と呼んだりしますが

「睡眠」を「ためる」ことはできません

また、睡眠不足の解消のために、休日に遅い時刻まで眠っていると

光による体内時計の調整が行われないために生活が夜型化して

日曜の夜の入眠困難や月曜の朝の目覚めの悪さにつながります

仕事や生活上の都合で、夜間に必要な睡眠時間を確保できなかった場合

午後の眠気による仕事の問題を改善するのに「昼寝」が役に立ちます

午後の早い時刻に「30 分以内の短い昼寝」をすることが、眠気による作業能率の改善に役立ちます

以下続く

院内勉強会

今夜は院内勉強会

国際医療技術研究所(IMT College)

http://www.imtcollege.org/

作成の『Vol. 2 数字で見る不妊症』のブルーレイディスクの鑑賞会

不妊治療に関する根拠に基づく正しい情報を

理解しやすいイラストムービーコンテンツとして制作されているので

不妊治療の臨床に携わる鍼灸師として知っておくべき情報が満載

初学者から不妊治療に関わるスタッフに是非見てもらいたい内容となっている

良い睡眠12箇条その7

【第7条・若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ】

子どもには規則正しい生活を

休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進

朝目が覚めたら日光を取り入れる

夜更かしは睡眠を悪くする

1日の覚醒と睡眠のタイミングを司っている体内時計は

起床直後の太陽の光を手がかりにリセットし、1 日の時を刻んでいます

光による朝のリセットが毎朝起床直後に行われないと

その夜に寝つくことのできる時刻が少しずつ遅れます

起床時刻が遅くなることで夜型化してしまう原因は

朝、暗いままの寝室で長い時間を過ごすことで

起床直後の太陽光による体内時計のリセットがうまく行えないことにもあります

このリセットが行えないために、夜の睡眠の準備が遅れ

さらに朝寝坊の傾向を助長してしまうのです

また、若年世代では、夜更かしが頻繁に行われることで

体内時計がずれ、睡眠時間帯の不規則化や夜型化を招く可能性があります

良い睡眠12箇条その6

【第6条・良い睡眠のためには、環境づくりも重要】

自分にあったリラックス法が眠りへの心身の準備となる

自分の睡眠に適した環境づくり

習慣としている自分の就寝時刻が近づくと

脳は目覚めた状態から徐々にリラックスした状態に移りやがて、睡眠に入っていくので

交感神経から副交感神経優位にスムーズに移行するように

自分にあったリラックスの方法を工夫することが大切

入浴は、ぬるめと感じる湯温で適度な時間、ゆったりとするとよいでしょう

寝室や寝床の中の温度や湿度は、体温調節の仕組みを通して

寝つきや睡眠の深さに影響するので

季節に応じた心地よい温度に調節しましょう

また、明るい光には目を覚ます作用があるため

就寝前の寝室の照明が明るすぎたりすると睡眠の質が低下します

不眠症の方は就寝前のスマホやPC作業はよろしくありません

良い睡眠12箇条その5

【第5条・年齢や季節に応じて、昼間の眠気で困らない程度の睡眠を】

必要な睡眠時間は人それぞれ

睡眠時間は加齢で徐々に短縮

年をとると朝型化 男性でより顕著

日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番

日本の成人の睡眠時間は6時間以上8時間未満の人がおよそ6割を占め

これが標準的な睡眠時間と考えられる

睡眠時間は、日の長い季節では短くなり、日の短い季節では長くなるといった変化を示す

夜間に実際に眠ることのできる時間、つまり一晩の睡眠の量は

成人してからは加齢するにつれて徐々に減っていく

夜間の睡眠時間は10歳代前半までは8 時間以上

25歳で約7時間、その後20年経って45歳には約6.5時間

さらに20 年経って65 歳になると約6時間というように

健康で病気のない人では20 年ごとに30分ぐらいの割合で減少していく

一方で、夜間に寝床で過ごした時間は、20〜30歳代では7時間程度で

中年以降では長くなり、75 歳では7.5時間を越える

昔から、年をとると徐々に早寝早起きの傾向が強まり、朝型化することが知られていますが

加齢による朝型化は男性でより強い傾向がある

個人差はあるものの、必要な睡眠時間は

6時間以上8時間未満のあたりにあると考えるのが妥当でしょう

必要な睡眠時間以上に長く睡眠をとったからといって、健康になるわけではなく

年をとると、睡眠時間が少し短くなることは自然であること

日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番であるということを知っておくとよいでしょう

良い睡眠12箇条その4

【第4条・睡眠による休養感は、こころの健康に重要】

寝つけない、熟睡感がない、早朝に目が覚めてしまう

疲れていても眠れない等の不眠症状は

こころの病の症状として現れることがある

特に、眠っても心身の回復感がなく、気持ちが重たく

物事への関心がなくなり、好きだったことが楽しめないといったことが続く場合

うつ病の可能性もあります

うつ病になると9 割近くの人が何らかの不眠症状を伴い

中でも睡眠による休養感の欠如は、最も特徴的な症状と考えられており

また、不眠の症状がある人は、うつ病にかかりやすいこともわかってきました

不眠症のため睡眠による休養感が得られなくなると

日中の注意力や集中力の低下

頭痛やその他のからだの痛みや、消化器系の不調などが現れ、意欲の低下を招く

以下続く