アトピー性皮膚炎の調査

厚労省の2016年患者調査によると

日本のアトピー性皮膚炎の推定患者数は45万6000人

(継続的に医療機関を受診している患者数)

年齢別では19歳以下が36%(約16万人)

20~44歳は44%(約20万人)

45~69歳は16%(約7万2千人)

若年層だけの病気ではない

症状の重さは大雑把に

重症以上が10%

中等度が20%

軽症が70%

鍼灸外来の患者さんは軽症から中等度と思われる

薬物療法に限界を感じているなら

鍼治療は有効な選択肢だ

第52回愛知県鍼灸師会研修会

昨日は(一社)愛知県鍼灸師会主催

第52回研修会・通常総会があった

第1講:高橋 徳先生(医師)演題:統合医療と鍼灸

通常総会

第2講:長谷川栄一先生   演題:肝気犯脾による哮喘の一症例

高橋徳先生の講演は、西洋医学中心の日本の医療体系に一石を投じる内容だった

国民皆保険制度の恩恵により、薬の処方中心の日本の医療制度に対して

米国では100の公立大学病院の全てに鍼灸外来があって

鍼灸治療を受ける人は増え続けているという

ドクター徳の推奨する慢性疼痛のファーストチョイスは

①運動・鍼灸治療・食事療法

②腹式呼吸・瞑想・ヨーガ療法

③漢方薬

④NSAIDsやオピオイド系の鎮痛剤は①~③の治療が無効で急性の痛みに限り処方

「人間が本来持っている自然治癒力を引き出すことが

本来あるべき医療である」

臨床で鍼を持つ高橋医師の言葉には重みがあった

 

カモガヤ花粉に注意

連休明け頃から

イネ科の花粉のアレルギーの患者さんが多い

イネ科のなかでもカモガヤが最も飛散が多いと言われている

花粉飛散時期は5~8月

河川敷や堤防に多く生息しているため多くの人の生活圏にある

カモガヤ花粉症を発症すると、食物アレルギーを併発することも多いので

疑いがある人は十分注意が必要

耳のツボの治療で症状を緩和させることが可能

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肝鬱による弱視に滑肉門

80代女性

緑内障による弱視

四診により肝鬱気滞・右上気の偏在が認められ

患側”滑肉門”に置鍼15分

ぼやけていた視力が回復し

20センチ離して見えなかった

カレンダーの文字が判別できるようになった

今後視力検査もしつつ経過を診ていきたい

肝鬱がらみで空間的歪みを整える効果を実感した症例

http:www.n-acp.com

臨時休診のお知らせ

5月17日(水)臨時休診いたします

  18日(木)通常休診日

よろしくお願いいたします

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「うつ病治療」を皆で考えよう

昨日は高橋徳先生主催の

第2回日本健康創造研究会(JHC)に参加した

テーマはあるべき「うつ病治療」を皆で考えよう

第1部 基調講演:「うつ病の病態と治療」~心身医学の立場から~

    講  師:金子宏 心療内科医(星ヶ丘マタニティ病院)

第2部 「うつ病への心からのアプローチ」

講演1:「ヨーガ/マインドフルネス瞑想」

    講  師:林 紀行 精神科医(大阪大学病院)

講演2:「カウンセリング」

    講  師:野村 麻記子 心理カウンセラー

第3部 「うつ病への身体からのアプローチ」

講演3:「鍼灸」

    講  師:米倉 まな 鍼灸師

講演4:「運動/呼吸」

    講  師:謝花 正一 理学療法士

第4部 ラウンドテーブルディスカッション

    うつ病患者の生の体験談を聞いた後、演者と参加者でディスカッション

※感想:うつ病患者とどう向き合うのかというテーマについて

    多職種の関わり方を知ることができ大変勉強になった

    特に臨床心理士のカウンセリング能力には舌を巻いたが

    日本の心療内科医の臨床の限界も理解できた

    開業医では6~7分の診療時間が損益分岐と聞き

    保険医療制度が変わらない限り

    年間3万人の自殺者が減ることがないと思った

    
    うつ病患者の治療の選択肢に鍼灸があることを

    多くの心療内科医に知って欲しいと思う

    
    

うつ病治癒

60代男性 うつ病

主訴:吐き気で食べられない・寝付けない・頻尿・不安感・体がだるい・体重減少・じっとしておれない

現病歴:一ヶ月前から寝付けなくなり、恐ろしい夢で目覚めて眠れない

近所の精神科受診しうつ病と診断、催眠導入剤、抗不安薬を処方され内服し

気分が悪くなって中止、総合病院精神科に転院するも薬の副作用でぼーとして一度で中止

鍼灸治療を求めて来院

直感的に危険な状態と判断、再度精神科受診を促し、抗うつ剤、催眠鎮静剤を処方される

鍼灸治療を週に一度続けながら減薬→断薬→治癒を目指すことを説明

弁証:心肝気鬱・肝気犯胃

処置:内関・後谿の一穴を取穴

経過:週に一度の通院で薬の副作用はなく食欲が増し、胃が楽になる、睡眠も良くなり

半年後に抗不安薬を中止、抗うつ薬は半分に減薬、8カ月後極めて頸窩が良く

主治医の判断で全ての薬を中止

以後一ヶ月間経過を診て経過良好なため治癒となった

考察:このまま放置しておけば危険なうつ病と判断

薬に抵抗があった患者をあえて再受診を促し

鍼灸治療を併用することで副作用もなく、良い結果をもたらし早期の治療に至った

うつ病の治療で最も大切な信頼関係は

患者のご兄弟の紹介で来院されたため

初診から良好であったのが良い結果をもたらした

院内勉強会

今夜は院内勉強会

昨年世界鍼灸学会学術大会(WFAS)で発表された

北辰会のPRビデオがYouTubeにアップされたので

学会に参加していないスタッフと上映会

スタッフ全員で体表観察

脈診・舌診・原穴診・腹診・背候診・空間診など

四診合参して弁証

打診・古代針法・刺鍼実技も披露

より実践的な体表観察実技だ

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痰がらみの咳に公孫のお灸

酷い風邪をひいてから痰がらみの咳が止まらない女性

抗生剤や祛痰剤を内服しても変化ない

一度嘔吐と下痢をしてから悪化

脾虚湿盛と考え公孫に左右整えの灸を19壮

施灸後に全身温かくなり一気に痰が絡まなくなる

公孫は≪鍼灸大全≫に「心腹五臓の病を治す」と書いてある

経絡の流注ではこのツボは衝脈が支配している

衝脈というのは衝き上げるという意味があり

気が衝き上げ、脾胃の失調を来して脾虚湿盛と考えれば

公孫の多壮灸が奏功したことが理解できる

北辰会エキスパートコース参加

昨日は北辰会エキスパートコースに参加

お馴染みの体表観察実技で

腹診、背候診、原穴診の確認

フェザータッチの微妙な感覚をリセットできた

今日の診療は指の感覚が鋭敏に感じ

とても良い治療ができたと思う

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