認知症にならないためには その2

認知症を予防のためには

人生の目的(生きがい)を見つけることはとても重要です。

宮城県大崎市に住む、40-79歳の男女を対象に行われた調査によると、

あなたは「生きがい」や「ハリ」を持って生活していますか?

という質問に対して、あると答えた人は、無いと答えた人よりも長生きなことが分かりました。

この他にも、「人生の目的や目標」を持っている人は認知症の進行を抑制できる、

ということも分かっています。

人生の目的や生きがいのある人は、様々な価値観の人と交流があったり、

活動的であって体を動かしたり、頭を使ったりする機会が多いです。

認知症は脳の神経細胞の老化が原因です。

道路の多い道は、多少道が塞がっても渋滞が起こりくいですよね?

脳細胞もこれと同じで、神経の回路が多ければ多いほどダメージを受けにくいのです。

「老後は悠々自適に」よりも、仕事、趣味、友人関係、家族、など

自分なりの生きがいをみつけてハリのある生活をおくるほうが

「ボケ防止」には近道なのです。

認知症にならないためには

認知症は予防できる病気です。

また、最近忘れっぽくなった、ミスが多くなった、集中力が続かなくなった。

など、加齢とともに認知機能に衰えを感じる方は多いと思います。

認知症の予防で最も重要なのは

1.人とのつながりを大切にする(社会参加)

2.人生の目的を見つける(生きがい)

3.運動する習慣をつける

1の重要性については、以前ブログでも紹介しました。

[https://blogs.yahoo.co.jp/n_harikyu/72758879.html]

家族との関係、ご近所付き合い、友人と会うこと、デイサービスに行くこと、ボランティアに参加する…

人、地域、社会と関わりがあることが認知症の予防には重要です。

つづく・・・

軽度認知障害(MCI)について

認知症じゃない、でも同年代の人と比べたらかなり認知機能障害がある・・・

そんな認知症の前駆段階を「軽度認知障害(MCI)」といいます。

じゃあ物忘れが人より多かったら、認知症の前段階なのか?!

それは違います。

年齢とともに脳が萎縮したり、物忘れが増えるのは当然です。

90歳以上の6~9割は認知症だと言われています。

MCIに関しては65歳以上の4人に1人と言われています。

ここで、ポイントになるのは

日常生活に支障をきたしているか、です。

90歳でも買い物に行ったり、炊事をしたり、友人と会って話したり。

認知症だったとしても、幸せな生活を送っているかたはいますよね?

段取りがうまくできない、予定をわすれてしまう、今までできていたことができなくなってしまう。

生活の支障となる症状が増えて来た場合は、一度検査したほうがいいでしょう。

しかし、MCIと認知症を見極めるのは認知症の専門医でも難しいと言われています。

では、認知症の発症を予防するには?

または、MCIの進行を遅らせるには?

つづく・・・

加齢による物忘れと認知症の違い

最近物忘れが増えてきて・・・

私、認知症じゃないのかしら・・

こんな人の話を聞いたことありませんか?

誰しも年齢を追うごとに、認知機能が低下し、物忘れが増えてくることは生理的な現象と言えます。

加齢による物忘れのは「新しいことを覚えることができるが、思い出せない。」ことが多く、

逆に認知症の場合は、「新しいことが覚えられない、出来事自体を忘れてしまう。」という特徴があります。

例えば、「2ヶ月前に孫と会って食事をした」という出来事があった場合。

加齢による物忘れであれば、孫と会ったことは覚えているが食事の内容を思い出せない。

認知症の場合は、孫と会ったこと自体を忘れてしまう。

といった具合です。

「私、認知症じゃないかしら」というのは、忘れてしまったことを自覚しているため

認知症とは言えません。

記憶障害以外にも、実行機能障害(炊事、家事、計画を段取りよくできない)

失語・失認(言葉、名前、場所をわすれてしまう)などの症状があり、

日常生活に支障をきたしている場合は認知症が疑われます。

つづく・・・

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消毒方法について

鍼灸院では、消毒、滅菌が必要な医療器具がいくつかあります。

消毒、滅菌方法は、実は各治療院でやりかたが違い、統一されていません。

そこで正しい、消毒、滅菌方法を知るために消毒薬使用ガイドラインや

エビデンスに基づいた消毒方法を参考にして、もう一度治療院の衛生管理方法を見直そうと思います。

以下はエビデンスに基づいた正しい消毒方法を学べるサイトです。

鍼灸師や医療職種の方はご活用ください。

http://www.yoshida-pharm.com/category/countermeasure/texts/

http://www.tohoku-icnet.ac/news/files/post_151002.pdf#search=%27消毒ガイドライン%27

認知症?うつ病?

認知症に間違われやすい疾患として、うつ病があります。

高齢者のうつ病の原因は、主に身体機能障害(疼痛、筋力低下、移動能力の低下、寝たきり)や

社会性の低下(配偶者を亡くす、独居、外出困難)によるストレスで起こる場合が多く、

症状としては、意欲の減退(アパシー)や記憶力の低下など、認知症と同じような症状がみられます。

高齢者うつ病の場合は、抑うつ気分が強く、物忘れの訴えが強いことが特徴です。

認知症では、記憶力の低下を認めようとしなかったり、はぐらかすといった特徴がありますが、

うつ病の場合は、「わからない」と繰り返すことが多いと言われています。

つづく・・・

お彼岸

昨日(3/21)は、春分の日でした。

今はちょうどお彼岸の時期ですので、お墓参りに行かれたかたも多いかと思います。

お彼岸はもともと仏教用語で、ご先祖様がいる世界を「彼岸」といいます。

また、今わたしたちのいる世界を「此岸」といい、「彼岸」は西に位置して、

「此岸」は東に位置すると言われています。

春分の日の前後は、太陽が真東から真西に沈むため、

「彼岸」と「此岸」が最も通じやすい日ということで

この時期に、ご先祖様にお参りする風習がついたそうです。

お彼岸にはおはぎを食べますが、小豆には「邪気を払う効果」があるといわれています。

この時期に小豆を食べることや、ご先祖様に感謝することは、

自然への祈りや感謝とも深く関わっています。

また、あずきにはビタミンB1、カリウム、食物繊維などが含まれるため

利尿作用、排便促進、血栓予防などの効果があります。

仏教や東洋医学の考えを生活に取り入れる風習はいまも残っています。

昔の人々の知恵や経験は大切にしたいですね。

顔面神経麻痺の症例

40代 男性

主訴:右顔面神経麻痺

現病歴:1週間前にカゼをひいた後から、口が開きにくい、目が閉じないなど、

顔面の動かしづらさを発症。D病院で顔面神経麻痺と診断され、ステロイド、抗ウイルス薬開始。

現症:柳原法8点(重症)、表情筋は軽度収縮あり

現病歴を詳しく聴取すると、カゼを引いている状態で無理に仕事をしたとのこと。

もともと呼吸器系が弱く、カゼをひきやすい体質だった。

西洋医学的な病態:末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)

東洋医学的な病態(弁証):風湿熱、空間右上の気の偏在、脾胃湿熱

治療:翳風、外関(顔面神経走行部)、右胃兪(空間の歪みの調節)

顔面神経麻痺は、東洋医学的に外感の邪(外から体の中に侵入する邪気)が原因です。

特に、風邪、湿邪、熱邪などが経脈に侵入すると麻痺を発症します。

主訴を発症した前日は、春一番が吹き、風が強く、日中の気温が急激に上昇した気候でした。

このような気候の場合、「風邪」が体に侵入しやすい状態となります。

もともと呼吸器系が弱い人は、衛気(体をまもるバリア)が弱っているため、

容易に外感の邪を受けてしまします。

顔面神経麻痺は、再発する場合もあるため予防法として、呼吸器系の症状をコントロールして

衛気を高め、免疫力を落とさないことが重要です。

NHKで鍼灸特集

本日、3/18(月曜日)の22:45~23:10から、

NHKで東洋医学、鍼灸の特集があります。

東京大学付属病院や明治国際医療大学などで行われている、科学的な根拠に基づいた

最新の鍼灸医療についてご紹介があります。

お時間のあるかた是非御覧ください。

東洋医学ホントのチカラ~最新科学で迫る鍼灸(しんきゅう)の秘密~「Part1」

[http://www4.nhk.or.jp/P5063/]

地域医療における鍼灸師の役割

在宅医療カレッジを聞いて、今自分たち(開業鍼灸師)が地域でできることはなにか?

今一度整理して考えたいと思います。

1.日常生活の支障になっている症状(疼痛、運動機能障害、精神機能、内臓機能など)
  
を軽減させる。QOLの向上を目指し、生きがいや目標を支える。

2.特に、高齢者の場合フレイル・サルコペニア、低栄養のリスクを早期に発見し、
  
悪循環に陥らないように適切に治療・指導を行う。
 
(食欲の改善、活動量低下の原因となる運動器愁訴の軽減、食事指導など)

3.地域の診療所、病院、地域包括センター、介護福祉施設と連携を図り、

鍼灸治療院のみでは対応しきれない患者を適切に紹介する、または在宅医療へ繋ぐ

4.在宅医療の現場で、鍼灸師が活躍できるしくみをつくる

5.養生(東洋医学的な健康観)の考え方を地域に広め、0次予防の意識を持つことで病気を予防する

鍼灸は、単に肩こり腰痛を治す治療法のひとつではありません

これからは、慢性疾患が増え、病気とともに生きる時代。

東洋医学、鍼灸の多様性を生かし、人々の健康を支える治療院を目指したいです。