熱中症について その2

熱中症の症状には、1~3度までのレベルがあります。

できるだけ初期症状のうちに対処することで、重症化を防ぐことができます。

熱中症1度(水分・塩分補給と安静で軽快する)

めまい、たちくらみ、筋肉のひきつり・痙攣、大量の発汗

熱中症2度(安静で軽減しない場合は医療機関へ受診を)

頭痛、吐き気、嘔吐、脱力感

熱中症3度(入院・集中治療)

40℃以上の体温、意識障害(ぼーっとしている、呼びかけに反応しない)

また、

熱中症を疑ったときの応急対応のチャートが

厚生労働省から出ているので、参考にしてください。

呼びかけに反応がない、鈍い、朦朧としている場合はすぐに救急車を呼びましょう。

また、自力で水分が取れない場合は、医療機関へ受診し点滴を受ける必要があります。

熱中症について その1

人間の体は、熱の「産生」と「放散」を絶えずしています。

気温があがったり、運動をすると体に熱が生まれます。(熱産生)

すると血管が広がり、皮膚に血液を集中させることで、熱を外に逃がします。

また、それでも追いつかなくなると汗を出して熱を発散させます。

暑くなると、皮膚が赤くなったり、顔が赤くなったりしますよね?

それは、熱をできるだけ体の表層部分に集めて、熱がこもらないようにしているのです。

このようにして、人間は体温を常に一定に保っています。

ちなみに、ゾウは耳に血流が集中しているので、暑くなると耳をぱたぱたさせて熱を逃がすそうです。笑

つづく・・・

東海地方梅雨明け!

東海地方は、7月28日で梅雨明けとなりました。

今日は、太平洋高気圧に覆われて非常に暑い一日になりました。

これから、本格的に熱中症が増えてくると予想されます。

例年では、最も熱中症者が多いのは7月ですが、今年は梅雨明けが遅れた影響で、

8月上旬が最も多いと予想されます。

去年(平成30年)熱中症で救急搬送された人の数をみると、

愛知県は、6629人と全国3位の多さでした。

今後は、熱中症の予防をシリーズでお伝えしようと思います。

このシリーズが終了したら、ブログ移行のために、

ブログ更新は一旦お休みさせて頂きます。

台風6号接近 

Yahoo天気より

梅雨明けか!と思いきや、台風の接近で明日は強い雨になりそうです。

台風を東洋医学的に考えると、「気の乱れ」と「湿熱」が関係しています。

台風は、南の熱帯域で発生するので、大量の「湿」と「熱」の性質を持っています。

また風向きが変化しやすいので、気の動きも乱れやすくなります。

つまり、「気の上逆」が起こりやすいため「イライラ」「のぼせ」「めまい」「頭痛」など

顔面~頭部の症状が多くなります。

「湿熱」は、皮膚に影響するとアトピー性皮膚炎やにきび、

胃腸に影響すると胃腸炎や出血性腸炎などが起こりやすいです。

対策としては、カフェイン類や油ものを控えめにして、

果物や野菜を多めに摂るといいでしょう。

患者様からの喜びの声

患者様より、喜びのお手紙を頂きました。

患者様の許可を頂いたので、ブログでご紹介させていただきます。

うれしかった事

1.受診前に受けた問診、女性の方の優しい笑顔、接遇がすばらしい。

2.1回目の鍼で腰が伸び歩き方が変わった。娘がびっくり、よかったねと云ってくれた。

3.友人と待ち合わせの時、「向こうから来るのKさん(患者様のお名前)みたい。

でも歩き方が違う。やっぱりKさんね。」と云ってくれた。

4.外出することが多く、いつまでも元気でボランティア活動出来る事願っております。

今後共よろしくお願いします。

お手紙ありがとうございました。

第33回統合ヘルスケアチーム RTDに参加

昨日は、名古屋大学で開かれた、

統合ヘルスケアチームのラウンドテーブルディスカッションに参加しました。

毎回、多職種から様々な刺激を受け、新たな発見と気付きがあります。

今回は、私も初めて(?)チームの皆さんの前で発言させていただきました。

鍼灸師は、東洋医学の考え方に基づき治療を行っていますが、それを多職種に伝えるためには

東洋医学の専門用語を使ってしまうと、“コミュニケーションが取れない”というデメリットがあります。

それを解決するためには、専門用語を極力控え、共通用語(医学用語)に“置き換える努力”が必要です。

しかし、東洋医学の考えをすべて西洋医学に置き換えることは困難なので、

言葉を統一するのではなく、問題点に対する最善の解決方法は?見通しや評価は?経過は?

といった思考のプロセスを共有することが重要と教わりました。

今回は、エネルギー医学に関する話題では、「気を信じるか、信じないか!?」という哲学的な?(笑)

内容もあり、いろいろと考えさせられる会になりました。

懇親会では、相変わらず学生顔負けの盛り上がりで、最高でした。笑

寒湿邪の影響

長引く梅雨により、様々な不調を訴える方が増えています。

頭痛、めまい、肩こり、むくみ、倦怠感、下肢のだるさ、などなど。。。

気温も7月とは思えない寒さです。

このような気候になると、体には「湿邪」が侵入します。

梅雨と湿邪について
https://blogs.yahoo.co.jp/n_harikyu/72841853.html

「湿邪」には、熱を帯びた湿気「湿熱」と冷えた湿気「寒湿」があります。

ココ最近では、雨が降っても気温が上がらないため「寒湿」が影響しやすくなります。

「寒湿」は、もともと胃腸が冷えている人や、冷え症の方は特に注意。

セルフケアとしては、水分摂取量を控える、半身浴や足湯で下半身を温める、

首元を冷やさないことが重要です。

鍼灸治療では、昨日ご紹介した「灸頭針」や、「身柱」「陰陵泉」「公孫」などのお灸が有効です。

灸頭針について

灸頭針とは・・・

皮膚に刺入した鍼の柄に、丸めたもぐさを差し込んで燃やす方法です。

もぐさは通常よりも燃焼温度の高い「粗悪もぐさ」を使用します。

輻射熱により広範囲・深部まで温めることができます。

灸頭針を使う目的として

1.冷えにより末梢循環障害が起こっている場合(東洋医学的には寒凝血オによる不通則痛)

2.深部組織の拘縮などにより痛みや循環障害が起こっている場合(五十肩の拘縮期など)

3.自律神経症状の改善(温熱刺激は自律神経の調節に有効)

など様々です。

夏場だと、クーラーの冷気で血液のめぐりが悪くなっている方や、

冷たい物の摂りすぎで、内臓が冷えている方にはぴったりです。

脆弱性骨盤骨折とは

脆弱性骨盤骨折とは・・・

通常、骨盤骨折は若年者が交通事故などの強い外傷を受けることで、

骨盤が骨折して周囲の血管を損傷し、出血性ショックなどが起こる。

しかし、高齢者の場合は、骨の脆弱性があるため微弱な外力によっても容易に骨折してしまう。

転倒などの外傷により、骨盤(恥骨、坐骨、仙骨)が骨折してしまう。

鍼灸院に来院する、高齢者の「腰痛」、「股関節痛」、「殿部痛」は骨折の鑑別が必要です。

圧迫骨折や大腿骨近位部骨折などは、比較的一般的なので鑑別に上がりますが、

脆弱性骨盤骨折は意外と知られていないです。

鑑別方法としては、転倒歴の聴取、坐骨、恥骨、仙骨の圧痛、体動時の疼痛などを認められたら

脆弱性骨盤骨折を疑います。

当院では、骨折が疑われる症例に対しては、

X線、MRI検査のできるクリニックを迅速に紹介させていただきます。

逆流性食道炎の症例

症例 50代 男性

主訴:胸焼け・吐き気・首肩の凝り・頭痛

現病歴:15年前に逆流性食道炎の診断。ストレス、疲れなどで増悪を繰り返す。

職場でトラブルがあった翌日から、吐き気や頭痛が出現。

病院で点滴、内服薬処方され症状落ち着くが、持続するので当院に来院

本症例の問題点:仕事のプロジェクトなどで多忙、家庭内環境に問題あり、

夕食は22:00過ぎにコンビニ弁当や菓子パンが多い

所見:舌に厚い苔(厚白膩苔)、滑脈、百会に熱感、心下~胃土の邪

弁証:脾胃湿熱、肝鬱化火

治法:清熱利湿、降気瀉火

治療;霊台 に0.20mm×15mmで10分置鍼

経過:一回の治療で主訴はほぼすべて消失、厚い苔や頭部の熱感などの体表観察所見も改善

2回の治療で完治とした。

症例について

逆流性食道炎は、胃酸の分泌が増え過ぎたために、胃や食道に炎症が起きた状態です。

東洋医学的には、脾胃にこもった熱が、気上逆とともに突き上げた状態と考えます。

患者は、日頃からコンビニ弁当や菓子パンなど脾胃に負担をかけていました。

そこにストレスなどが加わり、肝の気逆とともに、胃酸の逆流を起こしたと考えます。

「霊台」は肝の熱を冷ますとともに、黄帝内経の刺熱論編では、霊台は脾胃の熱は診る部位とされています。

このことから、脾胃と肝の熱を同時に冷ます「霊台」が著効したと考えます。

逆流性食道炎は増悪緩解を繰り返すので、食生活、ストレスの発散が重要です。