患者様からの喜びの声

患者様より、喜びのお手紙を頂きました。

患者様の許可を頂いたので、ブログでご紹介させていただきます。

うれしかった事

1.受診前に受けた問診、女性の方の優しい笑顔、接遇がすばらしい。

2.1回目の鍼で腰が伸び歩き方が変わった。娘がびっくり、よかったねと云ってくれた。

3.友人と待ち合わせの時、「向こうから来るのKさん(患者様のお名前)みたい。

でも歩き方が違う。やっぱりKさんね。」と云ってくれた。

4.外出することが多く、いつまでも元気でボランティア活動出来る事願っております。

今後共よろしくお願いします。

お手紙ありがとうございました。

第33回統合ヘルスケアチーム RTDに参加

昨日は、名古屋大学で開かれた、

統合ヘルスケアチームのラウンドテーブルディスカッションに参加しました。

毎回、多職種から様々な刺激を受け、新たな発見と気付きがあります。

今回は、私も初めて(?)チームの皆さんの前で発言させていただきました。

鍼灸師は、東洋医学の考え方に基づき治療を行っていますが、それを多職種に伝えるためには

東洋医学の専門用語を使ってしまうと、“コミュニケーションが取れない”というデメリットがあります。

それを解決するためには、専門用語を極力控え、共通用語(医学用語)に“置き換える努力”が必要です。

しかし、東洋医学の考えをすべて西洋医学に置き換えることは困難なので、

言葉を統一するのではなく、問題点に対する最善の解決方法は?見通しや評価は?経過は?

といった思考のプロセスを共有することが重要と教わりました。

今回は、エネルギー医学に関する話題では、「気を信じるか、信じないか!?」という哲学的な?(笑)

内容もあり、いろいろと考えさせられる会になりました。

懇親会では、相変わらず学生顔負けの盛り上がりで、最高でした。笑

寒湿邪の影響

長引く梅雨により、様々な不調を訴える方が増えています。

頭痛、めまい、肩こり、むくみ、倦怠感、下肢のだるさ、などなど。。。

気温も7月とは思えない寒さです。

このような気候になると、体には「湿邪」が侵入します。

梅雨と湿邪について
https://blogs.yahoo.co.jp/n_harikyu/72841853.html

「湿邪」には、熱を帯びた湿気「湿熱」と冷えた湿気「寒湿」があります。

ココ最近では、雨が降っても気温が上がらないため「寒湿」が影響しやすくなります。

「寒湿」は、もともと胃腸が冷えている人や、冷え症の方は特に注意。

セルフケアとしては、水分摂取量を控える、半身浴や足湯で下半身を温める、

首元を冷やさないことが重要です。

鍼灸治療では、昨日ご紹介した「灸頭針」や、「身柱」「陰陵泉」「公孫」などのお灸が有効です。

灸頭針について

灸頭針とは・・・

皮膚に刺入した鍼の柄に、丸めたもぐさを差し込んで燃やす方法です。

もぐさは通常よりも燃焼温度の高い「粗悪もぐさ」を使用します。

輻射熱により広範囲・深部まで温めることができます。

灸頭針を使う目的として

1.冷えにより末梢循環障害が起こっている場合(東洋医学的には寒凝血オによる不通則痛)

2.深部組織の拘縮などにより痛みや循環障害が起こっている場合(五十肩の拘縮期など)

3.自律神経症状の改善(温熱刺激は自律神経の調節に有効)

など様々です。

夏場だと、クーラーの冷気で血液のめぐりが悪くなっている方や、

冷たい物の摂りすぎで、内臓が冷えている方にはぴったりです。

脆弱性骨盤骨折とは

脆弱性骨盤骨折とは・・・

通常、骨盤骨折は若年者が交通事故などの強い外傷を受けることで、

骨盤が骨折して周囲の血管を損傷し、出血性ショックなどが起こる。

しかし、高齢者の場合は、骨の脆弱性があるため微弱な外力によっても容易に骨折してしまう。

転倒などの外傷により、骨盤(恥骨、坐骨、仙骨)が骨折してしまう。

鍼灸院に来院する、高齢者の「腰痛」、「股関節痛」、「殿部痛」は骨折の鑑別が必要です。

圧迫骨折や大腿骨近位部骨折などは、比較的一般的なので鑑別に上がりますが、

脆弱性骨盤骨折は意外と知られていないです。

鑑別方法としては、転倒歴の聴取、坐骨、恥骨、仙骨の圧痛、体動時の疼痛などを認められたら

脆弱性骨盤骨折を疑います。

当院では、骨折が疑われる症例に対しては、

X線、MRI検査のできるクリニックを迅速に紹介させていただきます。

逆流性食道炎の症例

症例 50代 男性

主訴:胸焼け・吐き気・首肩の凝り・頭痛

現病歴:15年前に逆流性食道炎の診断。ストレス、疲れなどで増悪を繰り返す。

職場でトラブルがあった翌日から、吐き気や頭痛が出現。

病院で点滴、内服薬処方され症状落ち着くが、持続するので当院に来院

本症例の問題点:仕事のプロジェクトなどで多忙、家庭内環境に問題あり、

夕食は22:00過ぎにコンビニ弁当や菓子パンが多い

所見:舌に厚い苔(厚白膩苔)、滑脈、百会に熱感、心下~胃土の邪

弁証:脾胃湿熱、肝鬱化火

治法:清熱利湿、降気瀉火

治療;霊台 に0.20mm×15mmで10分置鍼

経過:一回の治療で主訴はほぼすべて消失、厚い苔や頭部の熱感などの体表観察所見も改善

2回の治療で完治とした。

症例について

逆流性食道炎は、胃酸の分泌が増え過ぎたために、胃や食道に炎症が起きた状態です。

東洋医学的には、脾胃にこもった熱が、気上逆とともに突き上げた状態と考えます。

患者は、日頃からコンビニ弁当や菓子パンなど脾胃に負担をかけていました。

そこにストレスなどが加わり、肝の気逆とともに、胃酸の逆流を起こしたと考えます。

「霊台」は肝の熱を冷ますとともに、黄帝内経の刺熱論編では、霊台は脾胃の熱は診る部位とされています。

このことから、脾胃と肝の熱を同時に冷ます「霊台」が著効したと考えます。

逆流性食道炎は増悪緩解を繰り返すので、食生活、ストレスの発散が重要です。

メカノレセプターについて その2

メカノレセプターは足の裏にある、バランス感覚を脳に伝えるセンサーです。

※部位は画像を参照

メカノレセプターの刺激方法として、

1,マッサージ

2.足浴(足湯)

3.お灸

などがあります。

お灸は自宅でも簡単にできるので、「せんねん灸」や「広重」を「失眠」や「湧泉」といったツボに

刺激すると、効果が期待できるでしょう。

ご高齢者の転倒予防にも応用できる方法ですので、

ふらつきやすい、足裏にしびれがある、バランス感覚が悪い

などの症状のある65歳以上の方は積極的に取り入れましょう!

メカノレセプターについて

歩く時にふらつく、バランス感覚が悪い、足の裏がしびれる。

こんな症状をお持ちのかたは多いのでは無いでしょうか。

人間立っているとき、足の裏にある「メカノレセプター」という感覚センサーが

「今傾いている!」「斜めになっている!」という情報を脳に伝達します。

これにより、人間はバランスを取ったり、立位を維持します。

「メカノレセプター」は、かかとや足の指の付け根に多く分布していますが、

ふらつきやバランスが悪い人は、このメカノレセプターの使い方に偏りがあったり、

うまく働いていないことが知られています。

また、脊柱管狭窄症の術後にしびれが残存している方などにも、

このような症状が現れることもあります。

つづく・・・

頭痛の勉強会にて

昨日は、某病院で「頭痛に関する鍼灸の勉強会」に参加しました。

参加者は、医師、看護師、PTなどなどの医療従事者+鍼灸師。

内容としては、医師からの頭痛に関する西洋医学的な基礎知識。

鍼灸師からは、頭痛に対する鍼灸の東洋医学的理論や、東洋医学的な治療について。

参加された医療従事者は、鍼灸に対する興味や関心の高さが伺えますが、

鍼灸に関する知識はあまりないと思われます。

一般の方や、鍼灸師に対する講習会であれば、問題ないと思われますが、

西洋医学的知識を持つ医療従事者に対して、東洋医学の理論は「なんのことやらさっぱり」といった反応でした。

参加した感想として、医療従事者に対しては、異なる流派の考え方を

医学用語(西洋医学的理論)を用いて説明することの重要性、

特に医師に対しては、鍼灸の作用機序や科学的根拠についての説明が前提であること、だと感じました。

ですが、その後の鍼灸の体験会(?)では、鍼に対する反応は良好!

問題点を改善しながら、よりよい勉強会にしていきたいですね。

顎跛行とは?

顎跛行の症例(側頭動脈炎の疑い)

70代男性

主 訴:右側頭部の食時時入浴時の激痛、

微熱、 下腿がだるい

現病歴:X-1年3月右側頭部痛発症

右頚部のツッパリ感が強い

36.8℃~37℃台の微熱が続く
入浴時、夕食咀嚼時に激痛が出る

ため頭を保冷剤で冷やすと楽にな
る。

脳神経外科を受診

頸椎X-P、頚部エコー、脳MRI、

検査で異常なし
ほぼ毎日ロキソニンを内服する

西洋医学的所見:

側頭動脈圧痛(+)顎跛行(+)

足背動脈、後脛骨動脈共に消失

上り坂、階段の上りで間欠性跛行

弁 証:血虚お血、小陽胆経経気不利

処 置:右聴宮、太衝 風池、胆兪などに

置鍼

経 過:第7診目で顎跛行著明に軽減

NRS10→4

1年半ほぼ毎日続く側頭部痛も

軽減
微熱は36℃台で安定

考 察:※顎跛行とは,咀嚼筋の痛みと疲労

により咀嚼や会話の中断と再開を
繰り返す現象で ”側頭動脈炎”に
特有の症状とされる
浅側頭動脈の怒張と索状肥厚はな
いが、

側頭動脈の拍動の減弱は認め

側頭動脈炎を疑わせる所見も認め
られるので
患者様には鍼治療で痛みに変化が
なければ神経内科をご紹介する旨
を伝え鍼灸治療を開始
経過はとても良好

以後1年経過し頭痛は消失