やさしい鍼の打ちかた

今日の勉強会は「痛みの少ない、やさしい鍼のうちかた」をみんなで練習しました。

いかにやさしく鍼を打てるか、というのは治療効果に大きく影響します。

心地よく、かつ治療効果がしっかり出るよう治療するにはいろいろ工夫が必要です。

今日の勉強会は、わたしが普段意識している“やさしい鍼のコツ”を共有しました。

わたしがこれまで教わったことや、経験上うまくいったことをみんなとシェアしました。

スタッフ一同で楽しみながら、スキルアップに全力です!

瘀血(おけつ)の悪化に注意!

ここ最近、瘀血が悪化している人が多い印象です。

瘀血というのは、東洋医学でいうと血行障害のことです。

原因は様々ですが、クーラーの冷たい風は痛みにとって大敵です。

冷たい風は、血行障害を引き起こします。

肩関節、首、膝関節、神経痛がある部位に、直接クーラーの風があたるのはNG!!


以下のような症状があるひとは瘀血の可能性があるので要注意

・動かした時にズキンとした痛みがある

・痛む部位がいつも同じ

・冷えると痛みが悪くなる

・夕方〜夜にかけて痛みが強くなる


患部をかならず服やタオルで覆って、冷えないようにしましょう。

短パンやタンクトップなどは注意!

この夏、クーラーは必須です。

うまく対策して、冷えから体を守りましょう。

圧迫骨折を早期に発見!:すばらしい初期対応

本日、飛び込みで来院された50代の女性。

2日前に転倒され、尻もちをついた後から腰痛が出現したとのこと。

寝返りなども困難ということで、当院に受診されました。

ベッドサイドの検査では、腰椎叩打痛(+)体動時痛(+)

圧迫骨折が疑われたため、すみやかにMRI検査を依頼。

結果、その日のうちに「圧迫骨折」の診断となりました。

N先生の的確な診察と、紹介状を介した迅速な対応がすばらしかったです。

ちなみに、圧迫骨折してから日にちが浅い場合、レントゲンを撮っても約40%は画像に映らないと言われています。

初期対応としては、MRIがとれる病院を紹介することが重要です。

またひとつ医療連携のかたちができました。

院長が認定鍼灸師になりました!

私ごとですが、この度(公社)全日本鍼灸学会の認定鍼灸師に合格しました。

わたしは861番目の認定鍼灸師として、全日本鍼灸学会に登録されました。

ちなみに、父親は726番目の認定鍼灸師でした。

父親の影響も多少(?)あって、認定取得に向けて頑張ってきたかいがありました。

これから当院は、認定鍼灸師をめざす人たちの研修施設となります。

治療技術だけでなく、紹介状を介して地域の医療機関と連携したり、

医療職としての倫理観と責任を果たせる、レベルの高い鍼灸師を育てることもミッションです。

「なんでも相談できる街の鍼灸院」を目指してレベルアップを続けていきます!

痛みの悪循環について:不眠と痛みの関係

痛みが改善していくひと、痛みが慢性化して長引いてしまうひと

一体なにが違うのでしょうか。

前回のブログでは、「破局的思考」というネガティブ思考が関係していことをご紹介しました。

もうひとつの要因として「不眠」がおおきく影響しています。

下の図をご覧ください。

痛みの破局的思考(ネガティブ思考)があるひとは、不安、恐怖により痛みへの警戒心がつよくなります。

その結果、痛みを避けようとするため動かなくなって、筋力が低下して、より痛みを強く感じてしまうのです。

これが「痛みの悪循環」です。

さらに、この図のなかの「不眠」という言葉にお気づきでしょうか。

「眠れない」ことで、不安や恐怖というネガティブな感情がより強くなることもわかっています。

つまり、不眠そのものが痛みの悪化と密接に関係しているのです。


では、この痛みの悪循環をとめるには、どのようなことが必要なののでしょうか。

つづく・・・

痛みの悪循環について

身体に痛みが出た時、みなさんはどのように対処されますか?

おそらく、痛み止めを飲んだり、痛みが出る動作を避けたりするのではないでしょうか。

不安になったり、心臓がドキドキしたりすることもあるかもしれません。

このように痛みを無意識に避けたり、交感神経が緊張するのは本能的な反応といえるのです。

つまり、「痛み」は身体にとって警告信号のような働きがあります。

これは急性痛(発症から3ヶ月以内)の特徴です。


では、慢性痛(発症から3ヶ月以上経過している)の場合はどうでしょうか。

「痛み」に警告信号としての働きは無くなり、痛みそのものがひとつの「病気」となります。

痛みの範囲が広がったり、痛む場所が冷えてきたり、眠れない、疲れやすいなど・・・

これらの症状は痛みが慢性化して、脳が過敏になっているサインです。

それだけではありません、慢性痛の患者さんは、通常のひとにはない独特な考え方を持っています。

それを「破局的思考」といって、以下のような特徴があります。

・痛みのことばかり考えてしまう

・このままどんどんひどくなってしまうのではないかと不安

・自分ではこの痛みをどうすることもできない

・痛みがあるからなにもできない


もし、いま身体に痛みを持っていて、これらの考えに当てはまる場合は、「痛みの悪循環」に入ってしまっている可能性があります。

つづく・・・

コロナ後遺症による異臭症治癒

コロナ後遺症による異臭症が治癒した症例を共有します。

当院では数多く異臭症の症例があり、そのほとんどが回復・治癒しております。


20代女性

X年7月にコロナ陽性、解熱した後から味覚がまったく無くなってしまう。

8月に耳鼻科を受診しましたが、特に異常は見つからず。

10月ごろから甘い臭いや油が腐ったような異臭がするようになる。

食事はフルーツや冷やご飯などしか食べられない状態。

特に、揚げ物、焼いた肉や魚はまったく食べられませんでした。


東洋医学的には脾虚胃熱として、印堂や合谷、行間などに処置。

徐々に食べられる品目が増え、2ヶ月後には異臭の程度が半減しました。

3ヶ月後には揚げ物が食べられるようにまで回復。

半年後には日常生活に支障がない程度まで改善したため治療終了となりました。


当院の異臭症の患者さんのほとんどは約6ヶ月〜1年で症状は消失or寛解しています。

鍼灸がとても有効な症状なのでお困りのかたは一度ご相談ください。

フェザータッチの重要性:触れることの意味

今日は鍼灸師のもっとも重要なスキルのひとつ「フェザータッチ」についてお話します。

フェザータッチがていねいに、正確にできるかどうかは鍼灸の効果におおきく影響するのです。

フェザータッチとはその名のとおり、羽毛で皮膚をなでるような軽微なタッチのことです。

東洋医学では「切診」といわれる診察方法がありますが、「切」というのは、切り離すという意味ではありません。

もう一つ、ぴったりと密着するという意味があります。

術者の皮膚と、患者の皮膚がフェザータッチを介してぴったりと密着してる状態。

触れられている患者さんはとても心地よい感覚です。

一方、術者は患者の皮膚(ツボや経絡)からさまざまな情報を読み取っています。

発汗、軟弱、緊張、硬結などなど・・・

その皮膚からの情報をもとに、鍼を打つツボを選択するわけです。

しかし、フェザータッチで「切診」を行うと、診察そのものが「治療」という意味を持ちます。

すなわち、すでに鍼を打つ前から、フェザータッチにより気の流れが整い、治療が行われているのです。


話は変わりますが、とある医師が「すべての患者に必ず聴診器をあてる」とおっしゃっていました。

体に触れるという行為に治療的側面を持つのは、鍼灸師だけではありません。

もちろん「触れる」という行為が、信頼関係のうえに成り立つことは忘れてはいけません。