意外と多い「隠れ貧血」とは?

貧血って聞くと「めまい」や「立ちくらみ」がある人を想像しがちですが、

実は、あまり症状が目立たない「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏)」が意外と多いんです。

血液検査のヘモグロビン値が正常でも、体内の貯蔵鉄(フェリチン)が足りていない状態のこと。

これが続くと、 「なんか疲れやすい…」 「肌や髪の調子がイマイチ」「集中力が落ちる」なんて不調が出てくることも。

なぜ女性に多いのか?

女性は 月経による鉄の損失 があるうえに、妊娠や授乳期には鉄の必要量がさらに増えます。

それに、ダイエットで食事を制限すると鉄不足に拍車がかかることも。

実際、日本人女性は鉄の推奨摂取量を満たせていない人が多いというデータもあります。

隠れ貧血対策!おすすめの食材は?

鉄分は 「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」 に分かれていて、 ヘム鉄のほうが体に吸収されやすことがわかっています!

✅ ヘム鉄が多い食材(吸収率が高い!)

  • レバー(鶏・豚・牛)
  • 赤身肉(牛肉・マグロ・カツオ)
  • 貝類(アサリ・シジミ)

✅ 非ヘム鉄が多い食材(ヘム鉄と一緒にとると◎)

  • 大豆製品(納豆・豆腐)
  • ほうれん草、小松菜
  • ひじき、海苔

また、 コーヒーや緑茶に含まれるタンニンは鉄の吸収を邪魔するので、症状でおこまりの方は控えめに!

「血虚(けっきょ)」を改善する漢方

東洋医学では 「血が不足してる状態」 を「血虚」と呼びます。

血が足りないと、 「なんか顔色悪い…」「冷えやすい」「髪パサパサ」 なんてことになりがち。

そんな 血虚タイプにおすすめの漢方 がこちら👇

  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) → 体力が弱く、足腰が冷える方の、むくみ、生理不順などに
  • 四物湯(しもつとう) → 血を補って肌や髪の乾燥を改善
  • 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) → 体力不足・疲れやすい人向け

「最近なんとなく不調が続く…」という人は、鉄分のとり方を見直したり、漢方や鍼灸を取り入れてみては?

毎日の食事や生活習慣をちょっと意識して、元気な体を作っていきましょう✨

かぜの鍼灸治療のキホン:外関の効果

最近、急に寒くなり、風邪をひく患者さんが増えてきました。

東洋医学では、風邪の種類を「風寒」と「風熱」に分けて考えます。

このような寒い気候では、「風寒」という冷えの邪気が体に侵入しやすくなります。

症状としては、悪寒、咳、鼻水、関節痛などの症状が現れます。

外関の効果と活用方法

外関(がいかん)は、「風寒」を取り除くのに効果的なツボの一つです。

特にお灸を用いることで、体を温めて症状を和らげることができます。

風邪の初期症状を感じた際には、外関にお灸をすることで、冷えを取り除き、体の防御力を高めることが期待できます。

セルフケアのポイント

風邪を予防・緩和するためには、以下のようなセルフケアも有効です。

  • 手首や首周りを冷やさないようにし、ネックウォーマーや手袋を活用する。
  • 寒気がして汗が出ていない場合は、葛根湯や麻黄湯などの漢方薬を活用する。

風邪の初期症状には、鍼灸や漢方も一つの選択肢にしてみてはいかがでしょうか。

これからの寒い季節、風邪を早めに対処し、健康を守るために、外関のケアを取り入れてみてはいかがでしょうか?

陰陽と二進数:東洋哲学とデジタルの意外なつながり

「陰陽」という言葉、聞いたことありますか?

東洋医学では「寒い」「静か」などの性質が陰、

「熱い」「動く」などが陽とされ、

世の中はこの2つのバランスで成り立っていると考えます。

実はこれ、私たちが毎日使うスマホやパソコンの仕組みとそっくりなんです。

コンピュータは「0」と「1」だけを使って情報を処理していますが、

この「0=陰」「1=陽」と考えると、陰陽の世界観とつながります。

例えば、東洋の占いに使われる「易経(えききょう)」には、

「乾(けん)」☰(陽陽陽)=111、

「坤(こん)」☷(陰陰陰)=000という形があり、

まさにコンピュータのデータの組み合わせと同じです。

コンピュータは「0と1の組み合わせ」であらゆる情報を処理していますが、

日常生活でも、電気のスイッチは「オン(1)」「オフ(0)」、

太陽が「昇る(陽)」「沈む(陰)」といったように、私たちは自然と陰陽的な二択の世界で生きています

さらに、最先端の量子コンピュータでは「0と1を同時に持つ」という仕組みがあり、

これは陰陽が混ざる「太極(たいきょく)」の考え方と似ています。

こうして見ると、古代中国の哲学と現代のデジタル技術が不思議な形でつながっているのがわかります。

私たちの身近なコンピュータの仕組みも、実は何千年も前から考えられていた陰陽の法則と共通しているのかもしれません。

腎兪とCOPDの関係について

腎兪(じんゆ)は、腰に位置する重要なツボであり、特に喘息や肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の症状緩和に利用されることが多いです。

腎兪は第2腰椎棘突起の両側にあり、深部には腰方形筋という筋肉が存在します。

この腰方形筋は肋骨の動きに関与し、**呼吸をサポートする筋肉(呼吸補助筋)**の一部でもあります。

腎兪に鍼をすると以下のような効果が得られます

  • 肋骨の動きが改善され、肺の膨張がスムーズになる
  • 呼吸筋の緊張が和らぎ、呼吸が楽になる
  • 呼吸困難感や慢性的な咳の軽減

COPDの患者は長期間にわたり呼吸困難や慢性的な咳に悩まされることが多く、呼吸筋に大きな負担がかかっています。

疲労した呼吸筋に対して、腎兪などのツボへ鍼治療を行うことで、筋肉の緊張を緩和し、呼吸が楽になることがあります。

慢性的な呼吸器疾患に悩む方は、腎兪を含むツボへの鍼治療が有効なアプローチとなります。

高額療養費が引き上げ:自分でできる対処法は?

高額療養費の引き上げについて

高額療養費制度の自己負担額が引き上げられる見通しが話題になっています。

特に、がんや難病の治療費は非常に高額で、患者さんやそのご家族にとって経済的な負担が大きいのが現状です。

高額療養費制度は、こうした方々にとって治療を続けるための命綱とも言える重要な支えです。

しかし、この制度の引き上げによりさらなる負担増が予想される中、自分の健康を守り、医療費を減らす工夫として

「セルフメディケーション」の実践がますます重要になります。


セルフメディケーションをもっと積極的に

セルフメディケーションとは、生活習慣を整えたり、市販薬を上手に使ったりして、自分で健康管理をすることです。

ちょっとした体調不良の際には、すぐに医療機関を受診するのではなく、自分で対処できる方法を知っておくことが大切です。


具体的には:

  • バランスの良い食事と適度な運動で、日頃から健康を維持する
  • 市販薬を積極的に活用して、初期の症状に対応する
  • 必要に応じて、セルフケアに役立つ知識を学ぶ

さらに、健康に関することを「ちょっと相談できる人」を持つことも大事です。

健康に関する困りごとを気軽に話せる相手がいると、病院に行く前に冷静に判断できる場面も増えるかもしれません。


鍼灸師ができること

健康相談の相手として、鍼灸師を頼ってみるのもいいかもしれません。

鍼灸師は、鍼やお灸を使ったケアだけでなく、日常生活での健康管理のアドバイスも行っています。

  • 症状を和らげて通院や服薬の頻度を減らす
  • 初期の体調不良に対処する方法を教える
  • 体調を整えることで、病気の予防や健康維持をサポートする

私たち鍼灸師は、皆さんが健康でいられるよう、一緒に考えサポートする存在です!


まとめ

セルフメディケーションや鍼灸を上手に活用することで、医療費の負担を減らしながら健康を保つことができます。

健康管理の不安や疑問を抱えたときには、ぜひ鍼灸師にご相談ください。

一緒に健康で豊かな生活を目指していきましょう!

寒暖差に注意!

1月24日まで全国的に春のような暖かさが続きますが、25日から再び寒中の寒さが戻る予報が出ています。

また、27日から28日にかけては全国的に荒天が予想され、その後は西日本から強烈な寒波が襲来するとのこと。

こうした急激な寒暖差が身体に与える影響と、その対策について考えてみます!

暖かい日の影響

暖かい日が続くと、東洋医学でいうところの「陽気」が高まります。

そのため、冷えによる症状、例えば関節痛や神経痛などは一時的に寛解する傾向にあります。

一方で、陽気が高まることで「気」が上昇しやすくなり、花粉症や頭痛、目の症状が悪化する可能性があります。

春先の花粉症に悩まされる方は、この時期特に要注意!

寒の戻りとその影響

再び寒さが戻ると、暖かさによって開いた腠理(毛穴)から寒邪が侵入しやすくなります。

このため、感冒(風邪)、神経痛、ぎっくり腰、帯状疱疹などの症状が悪化する可能性大!

この時期は特に冷えの影響を受けやすく、免疫力の低下が気になるところ。

対策

寒暖差の激しい季節を健康に乗り越えるためには、以下の対策が有効です:

  • 防寒対策を徹底する 朝晩の外出時には、マフラーや厚めの靴下を着用し、首元や足元を冷やさないようにしましょう。これにより、寒邪の侵入を防ぎ、免疫力の低下を防ぐことができます。
  • お風呂で身体を温める 冷えで悪化する症状には、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かり、全身をしっかり温めることが効果的です。特に痛みのある部位については、お灸やカイロを使用してピンポイントで温めるとGOOD!
  • 生活習慣を整える 睡眠不足や過度なストレスは免疫力を低下させる要因になります。十分な休息をとり、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。

早めのケアで寒暖差を乗り切りましょう!

アトピー性皮膚炎による手のかゆみ:刺絡のすばらしい効果

今回は、慢性的なアトピー性皮膚炎に悩む60代女性患者さんの症例です。
この患者様は、長年ステロイドと抗アレルギー薬を服用しながら症状を管理していました。
しかし、2024年11月頃より症状が悪化し、特に両手のかゆみで夜間の睡眠が妨げられる状態になりました。


症状の背景と西洋医学的アプローチ

皮膚科での診察では、新たにデュピクセント(デュピルマブ)を勧められました。

デュピクセントはアトピー性皮膚炎に対する生物学的製剤で、IL-4およびIL-13という炎症性サイトカインを抑制することで炎症を軽減する薬です。

しかし、副作用への懸念もあり、鍼灸治療を希望され来院されました。

東洋医学的見立て

東洋医学的には、この患者様の状態を”血熱”と考えました。

血熱とは、血液に熱がこもることでかゆみや炎症を引き起こす状態のこと。

特に両手に熱感があり、かゆみが強いため、この血熱を取り除くことを目標にしました。

治療経過

3診目に、 両手の井穴に刺絡を数カ所行いました。

刺絡は東洋医学における出血療法の一つで、熱や滞りを取り除く治療です。

4診目、 刺絡の効果が顕著に現れ、両手のかゆみが劇的に軽減しました。また、手の熱感も大幅に減少しました。

5診目、 両手のかゆみはほぼ消失。患者様は夜間の睡眠が回復し、日常生活におけるストレスも軽減されました。

初診時

5診目

考察

今回のケースでは、井穴刺絡がアトピー性皮膚炎による両手のかゆみ改善に有効でした。

完全な寛解には至っていないものの、患者様のQOL(生活の質)は大幅に向上しました。

また、刺絡はアトピー性皮膚炎以外にも、主婦湿疹、汗疱性湿疹、掌蹠膿疱症など、

手に関連する湿疹に対しても効果的な場合があります。

アトピー性皮膚炎、や手湿疹にお困りのかたは一度ご相談ください。

今年の鍼灸学会で発表します

毎年一度開催される、全国の鍼灸師が一堂に会する最大規模の学術大会が、今年は愛知県で行われます。

わたしは全日本鍼灸学会の会員であり、学会が認定する「認定鍼灸師」を持っています。

認定鍼灸師には、5年に1度の資格更新が必要となります。

更新には、学会参加、研修会の出席、レポート提出などなど…

さまざまあるのでコツコツ準備しておかなければいけません。

もちろん学会出席・学会発表は単位が大きいのでなんとしてもGETしたいところ。

今年の鍼灸学会は地元開催ということもあり、わたしも学会発表を頑張ろうと思います!

今日が抄録の締め切り期限、なんとか提出完了しました。

「圧迫骨折と医療連携」に関する発表を予定しています。

今年はスタッフみんなで学会参加しようと思います!

麻黄湯がインフルエンザに有効

2025年のインフルエンザはA型が中心に流行しており、過去最大の規模で拡大しているようです。

インフルエンザは、早めに治療を開始することが重要ですが、医療機関のひっ迫や、検査キットの不足など、

適切に治療が行えない場合もあります。

麻黄湯は東洋医学で「発熱、悪寒、頭痛、汗が出ない」などの風邪症状に効く漢方薬で、体力が充実している方に適しています。

じつは、麻黄湯は、西洋医学の研究でもインフルエンザウイルスの増殖を抑制する効果がわかっています。

特に、抗ウイルス薬を使用できない場合の補助治療として有効です。

汗が出るまでしっかり水分を摂取しつつ、麻黄湯を飲むと、辛い症状が緩和することもあります。

ただし、高血圧や妊婦、虚弱体質の方には慎重な使用が求めれるので、

ご心配な方は、お近くの薬局やかかりつけ医に相談してみてください。

また、鍼灸治療でも免疫を調整する効果により、長引く風邪の症状の緩和や、予防に有効です。

新年のごあいさつ:本日より診療開始しました!

新年明けましておめでとうございます。

いつも長岡治療院をご利用いただきありがとうございます。

本日より、2025年の診療がスタートしました。

今日の予約はいっぱいだったのですが、やはりインフルの猛威が影響し、体調を崩される患者様が多くいらっしゃいました。

時節柄、体調管理にはくれぐれもお気をつけください。

スタッフはみんな元気いっぱいで出勤しています!

今年は、新たな予約システムの導入、フタッフ教育の充実、往診事業の拡大など….

よりパワーアップを目指して頑張りたいと思います。

今年も長岡治療院をどうぞよろしくお願いいたします。