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うつ病・乳癌手術後の浮腫

名古屋市中川区 伊藤 みほ 45才

私は鍼治療に対してずっと痛みを伴うもので、その恐怖心のせいか、かなりマイナスイメージを持っていました。そんな私が、長岡先生にお世話になるようになったきっかけは、信頼のおける友人のご紹介ということに加え、8年前にストレスからくるうつ症状がひどく、その改善の為“藁をも縋る想い”という気持ちが強かったからだと思います。   初診の日、記入に30分はかかる程細かな問診表に驚きましたが、その後丁寧な質疑応答と鍼灸に関しての説明に誠実さを感じ、治療をお願いすることにしました。 その日の治療で、今まで滞っていた血液が音を立てて流れ出すような体感があり、“針ってすごいかも!それに痛くない”と感動したことを今でもよく憶えています。 今から4年前になりますが、“乳がんの手術で左脇のリンパ節を切除した為、現在は浮腫予防の治療を主として頂いています。ホリスティック医療に通じる鍼灸って本当に奥が深いなぁと日々感動しています。 長岡先生をはじめスタッフの方々の温かなお心に癒され、週1回のペースで通院していると病気知らずでいられることに感謝しています。

自律神経失調症(軽度のうつ状態)改善

≪院長の症例≫

30代女性

主訴:やる気が出ない、寝つきが悪い、頭痛、肩こり、腰痛、胃痛

現症:X-1年主訴発症、心療内科受診し自律神経失調症の診断

ロラゼパム0.5㎎(抗不安薬)処方され自律神経症状は落ち着いていたが

昨年末に内服を中断してから、やる気が出なく、寝つきも悪くなり、不定愁訴も増える

漢方薬局で桂枝茯苓丸か薏苡仁と当帰建中湯をブレンドして内服中

弁証:心肝気鬱、瘀血証

処置:30mm1番鍼で右肝兪10分置鍼

週に1回の治療頻度で、以後足臨泣、三陰交、太衝、神道などを1穴のみ選穴10~20分置鍼

経過:8回の鍼灸治療で体調よくなり、主訴のほとんどは改善、消失

評価:「気分についての質問表」

   初診時16点(軽度のうつ状態)

   2カ月後 4点(うつではない状態)

考察:漢方薬の主治目的と一致した鍼灸の弁証治法によって

   鍼灸、漢方の治療効果が高まったと考える

   ロラゼパム(抗不安薬)の中断によるリバウンドも解消し、軽度のうつ状態も改善した

認知症にならないためには その2

認知症を予防のためには

人生の目的(生きがい)を見つけることはとても重要です。

宮城県大崎市に住む、40-79歳の男女を対象に行われた調査によると、

あなたは「生きがい」や「ハリ」を持って生活していますか?

という質問に対して、あると答えた人は、無いと答えた人よりも長生きなことが分かりました。

この他にも、「人生の目的や目標」を持っている人は認知症の進行を抑制できる、

ということも分かっています。

人生の目的や生きがいのある人は、様々な価値観の人と交流があったり、

活動的であって体を動かしたり、頭を使ったりする機会が多いです。

認知症は脳の神経細胞の老化が原因です。

道路の多い道は、多少道が塞がっても渋滞が起こりくいですよね?

脳細胞もこれと同じで、神経の回路が多ければ多いほどダメージを受けにくいのです。

「老後は悠々自適に」よりも、仕事、趣味、友人関係、家族、など

自分なりの生きがいをみつけてハリのある生活をおくるほうが

「ボケ防止」には近道なのです。

認知症にならないためには

認知症は予防できる病気です。

また、最近忘れっぽくなった、ミスが多くなった、集中力が続かなくなった。

など、加齢とともに認知機能に衰えを感じる方は多いと思います。

認知症の予防で最も重要なのは

1.人とのつながりを大切にする(社会参加)

2.人生の目的を見つける(生きがい)

3.運動する習慣をつける

1の重要性については、以前ブログでも紹介しました。

[https://blogs.yahoo.co.jp/n_harikyu/72758879.html]

家族との関係、ご近所付き合い、友人と会うこと、デイサービスに行くこと、ボランティアに参加する…

人、地域、社会と関わりがあることが認知症の予防には重要です。

つづく・・・

軽度認知障害(MCI)について

認知症じゃない、でも同年代の人と比べたらかなり認知機能障害がある・・・

そんな認知症の前駆段階を「軽度認知障害(MCI)」といいます。

じゃあ物忘れが人より多かったら、認知症の前段階なのか?!

それは違います。

年齢とともに脳が萎縮したり、物忘れが増えるのは当然です。

90歳以上の6~9割は認知症だと言われています。

MCIに関しては65歳以上の4人に1人と言われています。

ここで、ポイントになるのは

日常生活に支障をきたしているか、です。

90歳でも買い物に行ったり、炊事をしたり、友人と会って話したり。

認知症だったとしても、幸せな生活を送っているかたはいますよね?

段取りがうまくできない、予定をわすれてしまう、今までできていたことができなくなってしまう。

生活の支障となる症状が増えて来た場合は、一度検査したほうがいいでしょう。

しかし、MCIと認知症を見極めるのは認知症の専門医でも難しいと言われています。

では、認知症の発症を予防するには?

または、MCIの進行を遅らせるには?

つづく・・・

加齢による物忘れと認知症の違い

最近物忘れが増えてきて・・・

私、認知症じゃないのかしら・・

こんな人の話を聞いたことありませんか?

誰しも年齢を追うごとに、認知機能が低下し、物忘れが増えてくることは生理的な現象と言えます。

加齢による物忘れのは「新しいことを覚えることができるが、思い出せない。」ことが多く、

逆に認知症の場合は、「新しいことが覚えられない、出来事自体を忘れてしまう。」という特徴があります。

例えば、「2ヶ月前に孫と会って食事をした」という出来事があった場合。

加齢による物忘れであれば、孫と会ったことは覚えているが食事の内容を思い出せない。

認知症の場合は、孫と会ったこと自体を忘れてしまう。

といった具合です。

「私、認知症じゃないかしら」というのは、忘れてしまったことを自覚しているため

認知症とは言えません。

記憶障害以外にも、実行機能障害(炊事、家事、計画を段取りよくできない)

失語・失認(言葉、名前、場所をわすれてしまう)などの症状があり、

日常生活に支障をきたしている場合は認知症が疑われます。

つづく・・・

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認知症?うつ病?

認知症に間違われやすい疾患として、うつ病があります。

高齢者のうつ病の原因は、主に身体機能障害(疼痛、筋力低下、移動能力の低下、寝たきり)や

社会性の低下(配偶者を亡くす、独居、外出困難)によるストレスで起こる場合が多く、

症状としては、意欲の減退(アパシー)や記憶力の低下など、認知症と同じような症状がみられます。

高齢者うつ病の場合は、抑うつ気分が強く、物忘れの訴えが強いことが特徴です。

認知症では、記憶力の低下を認めようとしなかったり、はぐらかすといった特徴がありますが、

うつ病の場合は、「わからない」と繰り返すことが多いと言われています。

つづく・・・

「うつ病治療」を皆で考えよう

昨日は高橋徳先生主催の

第2回日本健康創造研究会(JHC)に参加した

テーマはあるべき「うつ病治療」を皆で考えよう

第1部 基調講演:「うつ病の病態と治療」~心身医学の立場から~

    講  師:金子宏 心療内科医(星ヶ丘マタニティ病院)

第2部 「うつ病への心からのアプローチ」

講演1:「ヨーガ/マインドフルネス瞑想」

    講  師:林 紀行 精神科医(大阪大学病院)

講演2:「カウンセリング」

    講  師:野村 麻記子 心理カウンセラー

第3部 「うつ病への身体からのアプローチ」

講演3:「鍼灸」

    講  師:米倉 まな 鍼灸師

講演4:「運動/呼吸」

    講  師:謝花 正一 理学療法士

第4部 ラウンドテーブルディスカッション

    うつ病患者の生の体験談を聞いた後、演者と参加者でディスカッション

※感想:うつ病患者とどう向き合うのかというテーマについて

    多職種の関わり方を知ることができ大変勉強になった

    特に臨床心理士のカウンセリング能力には舌を巻いたが

    日本の心療内科医の臨床の限界も理解できた

    開業医では6~7分の診療時間が損益分岐と聞き

    保険医療制度が変わらない限り

    年間3万人の自殺者が減ることがないと思った

    
    うつ病患者の治療の選択肢に鍼灸があることを

    多くの心療内科医に知って欲しいと思う

    
    

うつ病治癒

60代男性 うつ病

主訴:吐き気で食べられない・寝付けない・頻尿・不安感・体がだるい・体重減少・じっとしておれない

現病歴:一ヶ月前から寝付けなくなり、恐ろしい夢で目覚めて眠れない

近所の精神科受診しうつ病と診断、催眠導入剤、抗不安薬を処方され内服し

気分が悪くなって中止、総合病院精神科に転院するも薬の副作用でぼーとして一度で中止

鍼灸治療を求めて来院

直感的に危険な状態と判断、再度精神科受診を促し、抗うつ剤、催眠鎮静剤を処方される

鍼灸治療を週に一度続けながら減薬→断薬→治癒を目指すことを説明

弁証:心肝気鬱・肝気犯胃

処置:内関・後谿の一穴を取穴

経過:週に一度の通院で薬の副作用はなく食欲が増し、胃が楽になる、睡眠も良くなり

半年後に抗不安薬を中止、抗うつ薬は半分に減薬、8カ月後極めて頸窩が良く

主治医の判断で全ての薬を中止

以後一ヶ月間経過を診て経過良好なため治癒となった

考察:このまま放置しておけば危険なうつ病と判断

薬に抵抗があった患者をあえて再受診を促し

鍼灸治療を併用することで副作用もなく、良い結果をもたらし早期の治療に至った

うつ病の治療で最も大切な信頼関係は

患者のご兄弟の紹介で来院されたため

初診から良好であったのが良い結果をもたらした

滑肉門の応用

足陽明胃経の滑肉門

北辰会では主に空間診で反応を診る穴所

肝鬱や気の偏在による痛みなどに効果があることは臨床でよく経験しているが

うつ病にも相当効く経穴であることが解ってきた

40代♂ うつ病

随伴症状としては歯の食いしばり

不安感・焦燥感・頭痛・体がだるい・頸部の強いこり

右滑肉門に5番鍼で20分の置鍼

刺入は横刺で方向は右から左に向ける(臍を中心に気の流れは右回り)

数回で筋骨格系の主訴はかなり軽減

肉体的な随伴症状が軽減すればココロも余裕が生まれる

経穴の応用は奥が深く面白いと改めて括目した