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食欲不振の症例

こんにちは、長岡哲輝です。

今回は、食欲不振に対して、鍼灸治療が効果的であった症例を報告します。

症例 30代女性

主訴 食欲不振、胃もたれ、倦怠感

現病歴 以前から少食であったが、夏バテから食欲不振が増悪。摂取量の低下による体力の衰え、不安感が強い。

胃カメラでは、軽度の胃炎を指摘。

弁証 肝脾不和、脾胃気虚

治療 後渓、公孫、足三里(灸)、自宅でのセルフ灸を指導

経過 3診目から少しずつ食欲が出る。4診目には、食欲十分あり、顔色(気色)が良好になる。

肝脾のバランスを整えることで、数回の治療で食欲が改善し、摂取量が増加してきています。

西洋医学的には、消化管機能を整えることで食欲を改善させると考えられます。

また、鍼灸治療はグレリンという食欲ホルモンの分泌を促し、摂食中枢に働きかけている可能性もあります。

くいしばり(TCH)の症例

50代女性

主 訴:上肢のしびれ・痛み・筋力低下(患側の握力10㎏)

現病歴:半年前から発症、内科で心疾患の疑いで精査し異常なし

    整形外科で頸椎のMRI検査で軽度の頸椎椎間板ヘルニアの診断

    脳神経外科で胸郭出口症候群の診断「手術をしないと治らない」といわれ躊躇する

    大阪で北辰会講師の鍼灸治療を受け、NRS10→6に軽減するがそれ以上治らない

    しびれと握力低下が酷くなり「生きているのが辛い」とまで考えるようになる

経 過:身内の紹介で大阪から名古屋に来ていただき

    3回の鍼治療でほぼ主訴は消失 握力10㎏→25㎏にアップ

    根本原因は歯の軽度のくいしばり(TCH)と考えた

    外側翼突筋への刺鍼で短期間で主訴は著しく改善

    大阪での質の高い鍼灸治療のベースがあってのことではあるが

予防は日頃から歯のくいしばりを意識し、歯と歯が当たらないように注意すること

考 察:難治性の慢性疼痛疾患、特に上半身の疾患は

    必ず歯並びと嚙み合わせをチェック

    通常の鍼治療に抵抗する場合は

    外側翼突筋へのアプローチを試してみる価値は大いにあると思う

    
    親くしている矯正歯科医師によると

    嚙み合わせに異常がない人は10%以下!とのこと!

エクオールとは

エクオールとは

大豆や大豆製品に含まれる大豆イソフラボンが

腸内細菌によって代謝されてできる成分

エストロゲンと同じような働きがあるので

女性は閉経前から大豆製品を積極的に摂取することが推奨される

ただし、体内でエクオールをつくれるのは

日本人の約半分だといわれている

体内で産生できない場合は

サプリメントでエクオールそのものを摂取することも可能

体内でエクオールをつくれるかを調べる検査キットもあるそうなので

取り寄せて調べることも一考・・・

更年期以降の手の痛み

卵巣でつくられるエストロゲンは

子宮内膜、乳腺、血管、気道、

関節包、腱鞘、靱帯などに存在し

「エストロゲン受容体」と結合することで

関節、靱帯、腱鞘腱等の腫れを抑制する効果があるとされている

更年期や産後の授乳期にはエストロゲンが急激に減少するので

その保護機能が失われ

手の関節の痛みや、しびれ、腫れといった症状が発症する

手の外科疾患である病院を受診する患者さんの

9割が女性で、多くは更年期以降であるという

このことは手の外科疾患に女性ホルモンのアンバランスが

大きな影響を及ぼしている可能性を示唆する

手の外科手術の半数以上は

腱鞘炎(バネ指・ドゥケルバン腱鞘炎)

手根管症候群

ヘバーデン結節

プシャール結節

母指CM関節炎

以上5疾患だという

何れの疾患もエストロゲンの減少に起因すると考えられている・・・

熱中症

連日の猛烈な高温で

熱中症のリスクが高まっている

アユ釣りを楽しんでいた患者さん

帰るころになって体が火照ってめまいがはじまったので

急いで自販機で冷たいペットボトルの飲み物を2本買い

脇の下と頸動脈に交互に押し当て

火照りと目眩が治まったそうだ

野外の熱中症の初期対応としては理にかなっていた

野外の活動で亡くなる方が多いので十分注意したい・・・

往診に行きます

今夜は今から往診

40台男性

主訴:頸髄損傷による四肢躯幹の麻痺

現病歴:20代交通事故外傷でC2C3損傷
 
8ヶ月に渡り20件の病院を転院

四肢、躯幹は全麻痺で寝たきり、障がい者1級

治療目的:顎関節痛、頚部痛の緩和、てんかん発作の予防

※主治医の同意があれば健康保険で往診が可能

息子さんの介護をされている80代の母親への

心身疲労への治療もおこなうことになっている

過敏性腸症候群(IBS)の一症例

42才男性

主 訴:毎日3回の下痢(水様便)

現病歴:X-20年頃から飲酒の翌日に腹痛を伴う下痢(水様便)

になることが多くなる

旅行や外出時に下痢になることが不安

毎日ワインボトル1本以上の飲酒

一日3回の下痢(水様便)が続いている

弁 証:肝脾不和

治 法:疏肝理気

処 置:右肝兪に2番鍼で30分置鍼

経 過:2回の施術で数年間毎日続いていた下痢は止まり正常便に

※IBS患者さんは増えており

以前に比べて治療成績は上がってきてる

病歴の長い高齢者は治しにくく

病歴が長くとも若年者は治しやすい

手湿疹治癒

手湿疹治癒 高校生男子

小学生のころから関節の内側に痒みが出始める

中学生手の湿疹とニキビが酷くなり皮膚科受診

ペンラシン配合錠
エピナスチン塩酸塩錠20㎎
アンフラベート軟膏0.05%
ベシカルクリーム5%

これだけの薬が処方されるが夏場の湿疹は変化なし

5月初診

四診合参のうえ弁証

弁証論治:風熱挟湿の紅疹

治  法:祛風清熱

処  置:照海に置鍼15分、手の井穴刺絡

経  過:3回の施術で皮膚は綺麗に修復され治癒

養生指導:間食のアイス、チョコ、菓子パン、炭酸飲料を控えること

考  察:手の井穴刺絡が著効を示したことと、養生指導を守ったことが早期治癒に繋がった

※慢性皮膚疾患は対症療法の西洋医学と比較して

 明らかに東洋医学の勝ち

 根本的に体の中から変えていくので

 養生指導を守れば再発がほとんどない

 薬を中止することが多いので

 鍼灸単独で評価もできる

熱中症の対応

梅雨明け前から全国的に高温が続いているので

熱中症と思われる患者さんが増えている

野外でスポーツをする場合には特に注意が必要

頭痛、だるさ、吐き気、などを感じたら

スポーツドリンクや塩分を摂取

日陰や涼しい場所に速やかに移動し

脇の下や頸動脈に保冷剤等をハンカチに巻いて当て

頭に行く太い血管を冷やす

保冷剤がなければ自販機の冷たい飲み物でも代用できる

応急処置で改善しなければ迷わず病院に直行すること

頭重やだるさが残ったら東洋医学の出番

こもった熱を速やかに冷ます”清熱”の処置で

寛解することができる

横アーチに問題があるモートン病の対応

足の裏の指の関節周囲の痛み(灼熱感を伴う場合も)痺れがある場合

それはモートン病かもしれない

整形外科で診断されるても治療法がなく

当院に来院される方が増えている

殆どの症例で空間的な歪を整える

「空間診」による少数鍼で治してきたが

治療に抵抗する場合

足のアライメントを観察すると

前足部横アーチの低下が認められることが解ってきた

前足部横アーチは

緩衝作用と体重支持に働く

第1~5中足骨頭で構成されるアーチ

横アーチを構成する重要な筋は、長腓骨筋と後脛骨筋

この2つの筋は下腿の外側、内側から回り込み

長腓骨筋は外側から第1中足骨を外側へ

後脛骨筋は内側から第2~4中足骨を内側に引き込んで

互いに、骨を引き込みあうことで、横アーチを形成している

対策は鍼治療と並行して筋力増強トレーニングが有効

自宅でセラバンドを用いた長腓骨筋と後脛骨筋を鍛え

床に置いたバスタオルを足の指で引き寄せる運動も

横アーチをつくるために効果的であることが示された