過活動膀胱の症例
過活動膀胱とは、膀胱が過剰に収縮してしまうことにより、
頻尿・尿意切迫感(尿意を我慢できない)、切迫性尿失禁(我慢しきれず漏れてしまう)
などの症状を呈する泌尿器疾患です。
30代 男性
主訴:尿意切迫感、頻尿
現病歴:X年1月頃から、早朝や就寝前に5分おきに尿意を催すようになる。
睡眠にも支障が出てきため、当院受診される。
現症:OABSS(過活動膀胱の評価表)7点/15点(中等症)
尿回数は10回/日以上、腰痛や下肢の冷えを自覚している。
弁証:下焦における寒湿邪の停滞
治療:関元(鍼/灸)
経過:3回の治療で尿意切迫感はほぼ消失、相対的に排尿回数も減少
OABSSは7点(中等症)→3点(軽症)へ改善
患者は日頃からコーヒーや冷たい飲み物をを多飲していたため、
下焦(腎を含めた下半身全体)に冷えが停滞していました。
鍼と灸により、冷えと湿邪の停滞が解消したことが症状軽減に繋がりました。
西洋医学的には、膀胱を過剰に収縮させている副交感神経の働きを抑制したと考えます。