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神経学的診察

今日は、水曜定例の勉強会を行いました。

今日のテーマは運動器疾患の診察に欠かせない

「神経学的診察」について理解を深めました。

神経学的診察とは、筋肉を動かす運動神経や、知覚を司る感覚神経の障害を調べる診察方法です。

我々鍼灸師は、画像診断ができないため、実際に患者さんの体を触ったり、

動かしたりして、どこに問題があるかを調べます。

神経学的診察が必要な患者は、脊柱管狭窄症、頚椎症、椎間板ヘルニアなどにより痛みやしびれがある場合です。

専門的な内容になりますが、

例えば頚椎の4番/5番の椎間板ヘルニアの場合

・上腕二頭筋、三角筋の筋力低下

・上腕外側の感覚障害

・上腕二頭筋腱反射の減弱

などの異常を認めます。

このように神経学的診察を行えば、ある程度の障害を特定することができます。

患者さんにとっては「なんのこっちゃ!」といった感じですが、

診断・治療の上でとても重要な検査になります。

・・・気づけばもうこんな時間!

スタッフの皆さん、遅くまでご苦労様でした(笑)

「All for the patient」の精神でこれからも頑張ります!

愛知県鍼灸師会研修会に参加

画像は日本統合医学協会より引用

こんにちは、長岡哲輝です。

昨日は、愛知県鍼灸師会が主催する研修会に参加しました。

その中でも、特に伊藤京子先生(名古屋大学医学部 総合診療科)の

「統合医療」に関する講義が印象的だったので紹介します。

伊藤先生は総合診療医であり、名大病院では統合医療を行っています。

(統合医療=西洋医学に鍼灸を始めとした補完代替医療を組み合わせておこなう医療のこと)

伊藤先生がコーディネーターを務める名大病院の「統合ヘルスケアチーム」には当院の院長が所属しており、

西洋医学的な病名がつかず、治療に苦渋するケースに対して、

鍼灸師やヨーガ療法士、運動療法士などの多職種が補完代替医療を介入して治療します。

西洋医学でてがつけられないから、鍼灸でなんとかしてください。

という並行的視点ではなく、チーム全体で患者に最善の医療を考えるのが「統合ヘルスケアチーム」です。

患者は、「みんなで自分のことを考えてもらっている」という安心感があるそうで、

それだけで治療効果が高まっているといいます。

慢性疾患の増大にともない“治癒が困難”な患者がこれから日本で増え続けます。

慢性疾患は西洋医学的な治療に苦渋する場合が多く、患者のQOLは低下しています。

統合医療は、これから需要の高まる医療で鍼灸の活躍できる場でもあります。

しかし、補完代替医療に対する医師の認知が低いため、日本ではまだまだ浸透していません。

名古屋大学附属病院で行われている統合医療の取り組みは、最先端の医療と言えるでしょう。

水曜勉強会

こんばんは、長岡哲輝です。

現在新人スタッフ3名は、2020年度の臨床デビューに向けて、猛勉強中!

今年の勉強会の目標は、新人スタッフの「臨床能力向上!」がテーマです。

臨床では、1.問診 2.診断 3.治療 が基本となります。

新人スタッフは、まず徹底的に“問診”を鍛えられますが、実際の治療の現場では

“診断”を行い、“治療方針”を決めなければ患者さんを治療することはできません。

新人スタッフは、去年だけでも、おそらく50名以上は問診を担当しました。

これからは次のステップへと進むために、診断・治療スキルの向上が必須です!

今日は、その第一弾として「首の痛み」をテーマに、

考えらる疾患や病態についてみんなで理解を深めました。

今日の資料を作るなかで、自分自身も知識の整理や新たな発見があり、

非常に充実した勉強会になりました。

一人前の鍼灸師になるためにインプット、アウトプットの繰り返しです!

北辰会スタンダードコース

こんにちは、長岡哲輝です。

昨日は、大阪で行われている北辰会のスタンダードコースに参加しました。

当院では、中医学を基礎とした“北辰会方式”を採用しており、毎月行われる定例会に参加しています。

昨日は、体表観察の実技練習と、正邪弁証、中医小児科学の講義を受講しました。

体表観察では、原穴を中心にフェザータッチの確認や、衛気を意識した切診を心がけました。

よく意識してツボを触ると、ツボから伝わる気の粗密(反発したり、吸い込まれる感覚)を確認することができます。

熟練すると触るだけで、ツボの虚実を見分けることができるそうです。

竹下有先生に陽池を触っていただいたあとから、体が温まり、発汗してきたことには驚きました^^;

体表観察は、北辰会では治療の一部であるという認識です。

丁寧な体表観察は、それだけで治療になってしまうということですね。

午後の講義も、基礎的な内容の復習から、臨床に即した内容まで幅広く学ぶことができました。

学んだことをしっかりと患者様にフィードバックできるようスタッフ一同頑張ります!!!

アサンテナゴヤ活動報告 その4

愛知医科大学の宮田先生のご講演の中で、特に印象的だった言葉があります。

“セレンディピティ”という言葉です。

ノーベル賞や科学的な大発見をきっかけに、よく使われるようになった言葉のようです。

ある時、アサンテナゴヤに全く見ず知らずの人が、多額の資金援助をしてくださったそうです。

その方は、偶然ホームページ上でアサンテナゴヤを知り、

活動内容に賛同して、支援をしてくださったといいます。

セレンディピティという言葉には

「予期せぬアクシデントから素敵な偶然に出会ったり、探しているものとは別の価値観に出会うこと。」

といった意味があります。

ふとしたことがきっかけで、幸運を掴みとるといった感じです。

僕がこのアサンテナゴヤの活動に興味を持ったのも、ある偶然がきっかけでした。

愛知県鍼灸師会が主催している、災害支援鍼灸の講習会を聞きに行った日のことです、

その日の夜は、鍼灸師会の先生方との懇親会に参加していました。

その時たまたま、隣の席に座っておられたのが石川佳子先生(アサンテナゴヤの理事)でした。

そこで初めてこのアサンテナゴヤの活動を知るきっかけになりました。

宮田先生の“セレンディピティ”という言葉をきいて、

今まで自分がたまたま取った行動や、偶然とおもっていた出来事には意味があるのでは。

と感じ、この言葉の意味を深く考えるようになりました。

つづく・・・

アサンテナゴヤ活動報告 その3

愛知医科大学の宮田靖志先生の講演の中で、とても印象的だったキーワードが

「レジリエンス」と「セレンディピティ」という言葉でした。

「レジリエンス」という言葉は、resilience=復元力・回復力という意味があります。

実は、ゲム村のヘルスケアセンターの設立には様々な困難がありました。

解雇されてしまった准医師が、センターの運営を妨害しようと周囲に悪い噂を流したり、

信頼していたメンバーが資金を持ち逃げしたり・・・

しかし、その困難をメンバーはポジティブに捉え、危機的状況を乗り越えたといいます。

予期せぬ出来事や、不運を前向きに捉え、立ち向かう力こそ「レジリエンス」であり、

アサンテナゴヤのチームはとても「レジリエンス」の強い組織であることを教えていただきました。

つづく・・・

アサンテナゴヤ活動報告 その2

ゲム村にはヘルスセンターが建設されており、HIVの抗体検査やマラリアの検査を行っています。

10年前には20%以上だったHIVの陽性率も、地道な活動により現在では4%まで低下しているそうです。

ヘルスケアセンターでは、鍼灸治療も行われています。

ケニアの人々は、毎回行列をつくって治療を心待ちにしていているそうです。

ケニアでは頭に重い荷物を載せて運ぶため、治療所を訪れる方は、

首や肩に痛みを訴える人が多いとのことでした。

今まで医療をまったく受けていないケニアの人々の感受性は高く、

鍼治療の効果は非常に高いようです。

活動報告会は、それぞれの先生方の視点から、上記のようなケニアの医療の現状や、

アサンテナゴヤの今後の展望などをお話頂きましたが、

その中でも特に感銘を受けたのが、愛知医科大学の宮田先生のお話でした。

つづく・・・

アサンテナゴヤ活動報告会

http://asante-nagoya.com より引用

こんばんは、長岡哲輝です。

最近ブログさぼりがちですみません^^;

昨日は、アサンテナゴヤが行なっている

ボランティア活動の報告会に参加してきました。

アサンテナゴヤとは・・・

ケニアのゲム村という地域を中心に、医療支援などを行うボランティア団体のことです。

アサンテナゴヤは今年の8月に医師、看護師、鍼灸師などのメンバーとともに渡航しており、

その活動内容の報告会が聖霊病院にて行われました。

ゲム村はケニアの奥地にある小さな農村で、医療資源がほとんど行き届いていない僻地です。

この村では、HIVやAIDSの感染率が高く、約20%近くの村人がHIV/AIDSに感染しているといいます。
(日本のHIV感染率は0.1%)

この村では、漁業が主な収入源であるために、漁師が女性に魚を売るなかで、

性交渉が取引の一部に含まれているという文化的?背景も影響しているそうです。

しかし、村人たちは治療が満足に受ける事ができないため、感染(母子感染を含め)が

拡大してしまっているのです。

そんな村の現状を少しでも改善しようと立ち上がったのがこの“アサンテナゴヤ”だったのです。

つづく・・・

水曜勉強会

こんばんは、長岡哲輝です。

今日の勉強会は先週に引き続き、新患の症例検討会を行いました

今回のテーマは”問診の質の向上”

当院の問診は、約1時間ほど時間をかけて行うのが特徴ですが、

そこから得られる情報は非常に多いため、しっかりと頭の中を整理しておかないと、

『せっかく1時間かけたのに、患者さんの状態がよくわかない!!」

という状況に容易に陥ってしまうのです。

そうならないためにも、第3者にプレゼンテーションして振り返る事で、

自分の問診の問題点や、次に繋がる新たな気づきが生まれるのです。

今日の症例は”首肩のこり”というありふれた症状でしたが、

プレゼンテーションを行う中で、母親の介護、弟の病気、自身の体への不安など

様々な精神的、肉体的ストレスが主訴の発症に関わっていることが明らかになりました。

このように患者さんの生活背景をひとつひとつ紐解いていくことで、

病の根本的な原因が見えきたり、治療へのヒントが隠されています。

白熱した議論は、夜遅くまで続きましたが、

またひとつ鍼灸師としてのレベルが上がった・・・かも!?

症例検討会

横浜港の氷川丸

こんにちは、長岡哲輝です。

昨日は、診療終了後にスタッフ全員で新患3名の症例検討会を行いました。

症例検討会の目的は

1.患者の問題点を抽出し、よりよい治療を検討する

2.第3者にプレゼンテーションする能力を身につける

3.フィードバックを行うことで、治療や問診の課題や改善点に気づく

問診スタッフは1時間かけて収集した膨大な情報を簡潔に報告しなければなりません。

治療スタッフは、病態把握や治療方針についてわかりやすく報告する必要があります。

症例検討を行うことで、患者様に対してよりよい治療を提供できるだけでなく、

スタッフ全員の知識のアップデートや、新人教育にとても重要です。

私自身、症例検討や勉強会を通して、日々成長を実感しています!

患者様に最善の医療を提供するために、日進月歩です!