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一生で経験する月経増加

女性が一生で経験する月経が増加している

(中日新聞記事より抜粋)

女性が一生で経験する月経の回数は

戦前は50~100回、現代では450回(平均)だという

これだけの差が出る要因は

現代女性のライフスタイルが激変

出産回数が減ったから

妊娠から授乳する期間の2年間月経がないとすると

6人産めば12年間性理がないことになる

昔の女性は今と比べて栄養状態もよくない上

寿命は短く初潮は遅く閉経は早くなるなどの要因もある

毎月起こる排卵や月経は

女性の体にとっては大きな負担になっており

さまざまな病気が増えている

代表的には子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症

不妊症や腹痛、月経過多、月経困難症(生理痛)月経前症候群(PMS)

女性ホルモンと関係が深い病気も少なくない

生活様式が変わったことで、月経の回数が増え

結果として病気のリスクが増えている事実をしっかりと受け止め

定期検診などでで疾病ののリスク管理をする必要があそうだ

月経前中後の精神状態

月経前後に精神状態の変化が起きることは多くの女性が経験している

東洋医学では以下のように分析する

≪精神状態の変化≫

①月経前にイライラすが顕著になる
(肝気実型:ストレスによって肝気が亢進した状態)

②月経前にイライラする半面、落ち込む
(肝気実と心脾の弱り:心神と消化機能の弱り)

③月経中から後に落ち込む
(心血虚や脾腎の弱り:心血が不足、脾虚、腎虚)

生理前後の体調不良

生理前後の体調の変化は虚実の判定において

非常に有益な情報となる

生理前に様々な不調を訴え、生理後には体全体がスッキリする場合

大きな生気の弱りはなく実証型

生理中~後に体全体の疲労倦怠感が顕著になる場合は

虚証で血虚(血が足りない状態)が疑われる

月経時の養生として

①血の停滞を避けるために、油っこいものを控える

②刺激の強い食べ物や、生もの冷えた物の飲食を控える

③冬季には、保温に留意し、夏場もクーラーなどで体を冷やさない

④精神的をのびやかにして、ストレスを溜めないこと

月経時の血液について

女性の月経時の血液の色や塊(血塊)の有無によって

お血(血液が停滞して発生する病理産物)

血虚(貧血とは意味が異なる”血”が足りない状態)

の傾向が判断できる

赤色が濃い(暗紅色)傾向で血塊(レバー状の血液の塊)があれば”お血”

赤色が薄く量も少なく、期間も短ければ”血虚”

鍼治療によって体調が良くなると月経血の色が変化し

血塊がなくなる

女性にとって月経の状態は健康のバロメーターと言える

〔〕

不正出血

往診先の患者さんの寒椿の絵

不正出血

不正出血が続くときは一度婦人科で精査を受けて原因を調べることは必要

精査の結果異常がみられないが月経期以外で出血が続くときには

鍼灸治療がよく効く

東洋医学では「崩漏」という

「崩漏」とは、子宮出血・月経過多・五色帯下・切迫流産・子宮筋腫等の

性器出血などがこれに相当する

1・気虚による気の固摂作用の低下

2・脾不統血による出血

3・腎陰虚による出血

4・腎陽虚による出血

5・血òUによる出血

およそ以上5種に弁別する

比較的多いのは「脾不統血」によるもので

飲食不摂生や、下痢などで胃腸が弱っていると

「脾の統血作用」が低下し出血しやすくなるのである

この場合は「隠白」のお灸が奏功する

今日も2人の患者さんが、一度のお灸で出血が止まったと喜ばれた

月経と東洋医学その5

月経前症候群

月経が始まる3日~10日ぐらい前から決まって起こるさまざまな症状を

月経前症候群(PMS:premenstrual syndrome。月経前緊張症とも)」と言う

症状は落ち込み、イライラ、不安感、腹部膨満感、便秘、頭痛、乳房の痛み、むくみ、

食欲不振(あるいは過食)など多様で、

月経が始まると自然に治まったり、軽くなったりするのが特徴。

症状が軽い場合は、とくに治療の必要はないが、

仕事に集中できない、眠れないなど、日常生活に支障が出るほど症状が重い場合は

まず婦人科で、検査を受けたうえで、異常が認められなければ

東洋医学による治療をお勧めする。

原因は

1・お血 (血液の滞りで古い血が停滞する)

2・気滞 (ストレス・運動不足などにより、気の滞りがおきる)

3・肝脾不和 (ストレスなどで、肝の機能低下によって脾の働きが弱る)

4・血虚 (栄養の偏りや、胃腸の弱りによって、血が足りなくなる)

5・気虚 (気というからだの源のエネルギー不足)

6・気血両虚 (血虚と気虚が重なる場合)

原因によって鍼灸では使うツボが違い、経過もさまざまですが、

ピル等を使う前に、鍼灸で心身のアンバランスを整えることが大切です。

月経と東洋医学その4

初 潮 続き

初潮が大幅に遅れるケースや、成人になっても全くない、

あっても時々または、来たり来なかったりという場合は治療が必要

16歳までに初潮がない場合を初潮遅延

20歳までに初潮がない場合を原発性無月経という

西洋医学的には黄体ホルモンや卵胞ホルモンの分泌異常が疑われる

東洋医学では「血虚」「腎虚」によることが多い

「血虚」は血が不足した状態

多くは小中学校の運動部に所属し、毎日のきつい練習で「血」を消耗しすぎ

加えて、食欲不振で胃腸の機能低下で栄養の吸収が低下すると”血虚”が生じるので

お子さんの運動や栄養状態をご両親が注意することが必要

舌の赤みが薄く、眼瞼結膜が白っぽい、爪の色がピンク色でなかったりすると要注意

注)「血虚」とは血液検査での貧血とは少し意味が違います

「腎虚」とは胎児期に母体の栄養不足や、健康上の問題があると、”先天の腎気不足”

乳幼児期に大きな病気を患ったり、栄養不足などでおきる”後天の腎気不足”

下半身を冷やしすぎたり、疲れすぎても”腎虚”が生じ

いずれも初潮遅延や、原発性無月経の原因となる

このように初潮が遅れている場合は、”早めに”東洋医学による治療を受けることをお勧めする

安易にホルモン剤などを使うのはその後と考える

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月経と東洋医学その3

初 潮

今は小学校4年生ごろから初潮が始まる子供がいるが

6年生になると多くの女子は初潮を迎える。

女性のからだにとって、月経が始まるということは一大事である。

女性ホルモンが活動し始め、腎気が盛んになり気血が満ちてきた証拠である。

初潮が遅い場合は、気血不足、腎虚、脾虚が考えられる。

始まっても周期に乱れがある場合は

気血不足、肝鬱(ストレス)が原因となる。

初潮の状態を知ることは女性のからだを知る上で大変重要なのである。

続きはまた明日に

月経と東洋医学その2

小笠原の夕日

「素問」上古天真論より

「女子は七才にして腎気盛んなり、一四才にして天癸至り、
任脈通じ、月事以て時に下る、二一才にして腎気平均す
二八才にして筋骨堅く、髪の長極まり、身体は盛壮なり」とある

つまり、2千年以上前の中国の古典医学書には
14才くらいから月経が始まり、21才くらいで女性として
のからだがほぼととのい、28才くらいになるともう盛りだ、
そして、さらに35才ぐらいで腎気が衰え始め
42才ぐらいで髪が白くなり始め、49才で月経がなくなる、と書いてある。

つまり、女性の一生を七の倍数の年齢で区切って考えているのである。
このことは、平均寿命も延びた2千年後の現代でもそのままあてはまることは驚異でもある
(初潮の年齢だけは少し早まってはいるが)

女性の体の変化の流れは今も昔も変わらないのである
女性の体には一定の流れがあり、それを支配するのが月経である
続きはまた明日に

月経と東洋医学

女性は初潮から始まり

月経・妊娠・出産・閉経

というプロセスに伴う身体の変化が、

男性の身体と決定的に異なることは

今更いうまでもないが

東洋医学では二千年以上前に書かれた

医学書「黄帝内経」に詳細に記載がされている

月経の状態を詳しく診ることは

陰陽平衡の状態をたやすく把握できるのである

続きは明日