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変形性膝関節症(初期)の症例

初期の変形性膝関節症の症例です。

50代女性

主訴:左膝痛、正座ができない

1ヶ月前から膝関節の腫れと痛みを自覚。

水が溜まってきたので、整形外科でレントゲン撮るも、異常なしと診断。

リハビリのみで、特に治療もなく経過が変わらないので、当院受診。

現症:膝に軽度熱感あり、関節水腫はなし。左膝関節は軽度内反・屈曲変形

靭帯、半月板に異常なし。レントゲン画像では、左膝内側の軟骨が10~20%程度すり減っていいる。

東洋医学的な病態:肝経病証

西洋医学的な病態:変形性膝関節症(K-L分類 GradeⅡ)

治療方針としては、肝経の気血の流れを良くする、

アライメントの調節、ストレッチ、パテラセッティングを指導。

約1ヶ月で疼痛はほぼ消失、2ヶ月目には正座も可能になる。

現在では、水も全くたまらず日常生活が問題なく送れています。

膝関節痛は初期であれば、鍼灸治療と運動療法の併用で十分効果が期待できます。

高度に変形している場合や、関節水腫が強い場合、半月板・靭帯に問題がある場合は

西洋医学的治療と併用することが望ましいでしょう。

膝の水を抜くと癖になる?

「膝の水を抜くと癖になる」というのを聞いたことはありませんか?

これは本当でしょうか?

まず、「膝に水が貯まる」という現象についてですが、

膝関節は、「関節包」という袋状の膜に包まれています。

関節包は膝の動きをなめらかにするために、関節液を分泌しています。

この関節液が「関節包(滑膜)の炎症」により、過剰に分泌して関節内溜まっている状態を

「膝に水が溜まる」といいます。

膝の水を抜くと癖になるのは、関節包(滑膜)の炎症がある以上、

抜いてもどんどん溜まってきてしまうということです。

鍼灸治療は、滑膜の炎症を抑える効果があるため、水が溜まってくるのを防いでくれます。

治療によりアライメントが調節されることで軟骨への負担が軽減し、炎症を起こりにくくします。

当然、運動療法(パテラセッティング)も水が貯まるのを防ぐ方法のひとつです。

つづく・・・

膝痛(膝関節痛)にお悩みの方へ その2

変形性膝関節症の治療は、保存療法が第一選択となります。

運動療法は、筋力トレーニング、有酸素運動、ストレッチなどが有効です。

筋力トレーニングで鍛える筋肉は大腿四頭筋です。

大腿四頭筋を鍛える運動として「パテラセッティング」があります。

「パテラセッティング」は関節に負荷をかけることなく、効率よく大腿四頭筋を鍛えることができます。

1.膝の下にタオルを丸めて入れる

2.仰向けで横になる

3.つま先を上に向けた状態で、膝の裏でタオルを押しつぶす

この時に、大腿四頭筋をしっかりと意識して収縮させることが重要です。

20回 1セットを2回/日行いましょう。

筋力トレーニングは、関節負荷を軽減するだけでなく、軟骨細胞の炎症を抑える効果もあります。

膝関節に痛みを抱える患者様には、必ずお伝えしているトレーニングです。

是非ご自宅で試してみましょう。

膝痛(膝関節痛)にお悩みの方へ

膝関節痛は、50代以降の女性に多く発症しますが、

その多くは「変形性膝関節症」が原因と言われています。

初期の変形性膝関節症の多くは、レントゲンで異常が認められません。

膝が痛くて整形外科に行ったけど、画像上問題ないですと言われたことはありませんか?

初期の場合、骨の異常はほとんどなく、病変の主体は関節軟骨の“変性”や“すり減り”です。

ではなぜ、関節軟骨が変性したり、すり減ったりするのでしょうか。

原因は・・・

1.加齢により軟骨の働きが低下する

2.肥満あるいは、下肢の筋力低下により関節にかかる負荷が増大する

3.下肢のアライメント(関節、筋、骨の位置関係)の歪み

などがあります。

膝関節痛で重要なのは、軟骨のすり減りや、変性の進行をできるだけ遅らせることです。

つづく・・・

膝関節骨壊死に対する鍼治療

80才女性

膝蓋骨骨折後の膝関節骨壊死症

近距離の歩行も困難

専門医は手術の適応ではなく経過観察との診たて

患側公孫に鍼を打ち

2回目から患部の熱がなくなり

歩行痛が軽減、ROMも広がる

近所のスーパーに歩いて行けるようになり

家に閉じこもりがちだったがADLが向上

鍼灸治療の有効性が確認できた

とはいえ治療に抵抗する膝関節の慢性痛に対しては

MRI検査を勧める必要があると考えている

変形性膝関節症と公孫

60代♀

10年前から変形性膝関節症と診断され

半年前から悪化歩行に支障

膝関節伸展(++)外反(++)歩行(++)

四診合参し患側の”太陰脾経の経気不利”

と診たて患側の公孫に三番鍼で10分置鍼

治療後には伸展(-)外反(-)歩行(-)

患者さんは数か月毎日続いた膝の痛みが消失して大いに驚く

臓腑弁証、気血津液弁証、空間弁証、全て除外でき

消去法で患側の公孫が最も有意に虚の反応が認められた

弁証が正しければ驚く効果を示す一症例

http://wwww.n-acp.com

半月板損傷

60代 ♀

3ヶ月前から膝関節痛発症、痛みと腫れでで歩行が不自由、

MRIで半月板損傷の診断内視鏡によるOpeの予定となった

しかし、鍼治療を週に2回、3カ月が経過した

膝の水(関節水症)が抜け、腫れが引いて

関節可動域が日ごとに改善し、ついに手術回避となった

半月板の損傷の程度や生活の状態にもよるが

仕事やスポーツで膝関節に大きな負荷をかけることがないケースでは

鍼灸治療で治癒、緩解した症例は数多くある

http:www.n-acp.com