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スポーツ障害(ハムストリングス肉離れ)の症例

 
新しいブログ最初の投稿は、女子中学生のスポーツ障害の1症例を紹介します。
 
中学生 女子 陸上部
主訴 ハムストリングスの痛み
 
現病歴 X月ごろから徐々にハムストリングの痛みを感じる。全力で走ると痛み、思うように走れない。
 
整骨院に通院するも痛みが改善しないので、当院を受診されました。
 
県予選が間近に迫っており、なんとかならないかと相談を受けました。
 
 
所見 腰椎前弯増強、腸腰筋が非常にタイト、坐骨結節部に圧痛あり。
 
熱感、腫脹、発赤はなし
 
病態把握 ハムストリング肉離れ(足太陽・陽明経筋病)
 
治療 腸腰筋、坐骨結節部などに加え、足陽明胃経や足太陽膀胱経の経穴を使用
 
セルフケアとして、ハムストリングと腸腰筋のストレッチや、セラバンドを使ったトレーニングを指導しました。
 
 
経過 2診目で、下肢の不安感なくなる。3診目には全力で走っても痛みなし。以前より走る姿勢が改善し、タイムも上がる。
 
 
症例について
 
肉離れは、引き伸ばされた筋肉に強い地面からの衝撃が加わり収縮するときに起こります。
 
特に、ハムストリングの肉離れは陸上競技の選手に多いです。
 
彼女の場合、腸腰筋のタイトさにより骨盤が前傾位となっていたため、ハムストリングがつねに引き伸ばされている状態です。
 
そこに、繰り返しの負荷がかかり肉離れを起こしたと考えます。
 
また、腸腰筋が硬い場合、陸上選手では上体が起こしにくくなるため、タイムが伸びない原因になります。
 
治療により、腸腰筋が緩み上体が起こしやすくなったのでは無いかと考えます。
 
また、ハムストリングの痛みも治療により軽減したことで、走りへの不安がなくなったのではないでしょうか。
 
 
目標は自己ベスト更新して、全国大会へ!とのことでした。
 
頑張れ〜!!

半月板損傷治癒

剣道2段の中学生

半月板損傷で練習できず

患側大巨に鍼治療数回

全国規模の大会で大将を務め準優勝

当初は内視鏡手術も考えていた程の状態であったが

膝の痛みは消失し関節可動域も正常治癒とした

スポーツ傷害の治療は試合の結果が伴うので

責任も重いがやりがいもある

肉離れ??

中学生のピッチャー

投球動作で腰痛発症

他の鍼灸マッサージ院では

肉離れと言われてアイシングだけの処置

当院での診たては仙腸関節捻挫

患側百会で痛みは消失

肉離れと言われたのには???

舟状骨疲労骨折の鑑別診断

スポーツなどで、繰り返しの負荷がかかり続けることにより骨折を起こすのが疲労骨折

中高生やスポーツ選手に起こることが大半で

第五中足骨(Jones骨折)と舟状骨の疲労骨折は

難治性で手術が必要になることが多いので注意が必要

サッカーやバスケットボール、陸上などで多い

症状:初期は運動時や運動後に痛む程度

進行すると日常生活でも痛むようになり

骨折部の腫れを伴うこともあるが

激しい痛みや腫れを伴わないので

足関節を焦点とした評価で看過されるケースもある

診断:「舟状骨疲労骨折」では荷重時に足背近位部での不快感、疼痛を訴える

   前脛骨筋と長母指伸筋腱との間に圧痛を認める
   
   レントゲンで骨折線が認められないことが多く、MRIやCT検査が必要となる

治療:舟状骨の疲労骨折は難治性で早期スポーツ復帰のためには手術が第一選択となる

鍼灸師がよく遭遇する疾患でもあるので

正しい鑑別診断と整形外科との医療連携が必要である

腰椎分離症治癒

中学生クラブチームのサッカー選手

昨年11月に腰椎分離症の診断

試合に出れない、全力での練習ができない日が続くが

根気よく体幹トレーニングをしながら

鍼灸治療通院9ヶ月

100%のパーフォーマンスで

練習、試合ができるようになった

途中何度もサッカーを諦めかけるも

父親や周囲の励ましもあったが

なにより本人の強い意志が原動力となって治癒に至った

T君よく頑張ったね!

※13日~17日休診の為、ブログもお休みさせていただきます

スポーツ障害と統合医療

先日のスポーツ障害研修会

名大病院総合診療科 松葉先生からのコメント

スポーツ障害に取り組むうえで

痛みを取るだけではなく

メンタルケア・栄養指導・生活指導が必要

アスリートとくに学生スポーツ選手が抱える様々な問題について

指導者は知識も理解もないことが多い

この様な選手に対して一人の鍼灸師ができることには限界がある

ここで統合医療的に様々な専門家がフォーローすることができれば

パフォーマンスアップや、けがの予防につながるのではないか

スポーツ医科学はまだ研究の余地が大いにありだ

スポーツ障害研修会

昨日は(一社)愛知県鍼灸師会主催

生涯学習制度 第1回スポーツ障害研修会を開催した

参加者40人以上で過去最高を記録し

スポーツ障害に対する開業鍼灸師や学生の注目度は高い

第1講

名大総合診療科 松葉医師

類義語として

スポーツ外傷:アクシデントによる受傷

スポーツ障害:オーバーユースによる組織の摩耗・損傷

スポーツ傷害:スポーツ外傷+傷害(整形外科的な分野)

スポーツ医学:スポーツに関する医学的な課題(内科・婦人科なども含む)

スポーツ科学:スポーツに関する課題を化学的な視点から扱う(教育者の分野)

概論としてスポーツ傷害に関する知見を俯瞰できるような

有意義な講義だった

第2講

志学館大学短期大学准教授 佐藤丈能先生

スポーツ鍼灸師として選手との関わり方

医療連携ネットワークの仕組み

各論は陸上競技に多い外傷として

①ハムストリング肉離れ

②膝蓋靭帯炎

③シンスプリント

鑑別と治療法、テーピング実技などを学び

準備も大変だったが、有意義な講義と参加者の多さで報われた

ノースローの判断

野球少年中2

上腕骨骨端線炎

成長期にみられる骨端線は

スポーツなどの過度に負荷をかけると

骨端線が離開して

投球動作で痛みを生じる

肩関節は早期に治癒したが

肘関節の骨端線の離開が炎症期となると

ノースローで肘を休ませることが第一選択

1ヶ月の休養は長い野球人生の中ではほんの一瞬

本人、監督、母親に理解を求め早期治癒を目指すために

一ヶ月のノースローを本日お伝えした

スポーツ障害の治療は休ませるか否かの正しいジャッジが求められる

経絡経筋を整える

成長期のスポーツ障害

臓腑の問題がないことがほとんどなので

多くは痛みを感じる部位に関連した”経絡経筋病”と捉える

経絡の末端の要穴に鍼を軽く打つだけで

身体が自然に反応して痛みを緩和し

関節可動域が改善する

鍼治療によってリハビリ期間が短縮できる

但し、痛みを発症した根本原因を探ることが再発予防には大切

例えば陸上選手であれば歩行や走る動作の癖や

アライメントの異常を捉まえて

練習へのフィードバックをすることだ

胞肓の効果

高校ラグビー部フォワードレギュラー部員

左足首の慢性的な痛みで来院(発症から4ヶ月)

今迄足首の捻挫といわれ低周波治療を受けていたが

市大会の準決勝を控え、スクラムウオールやタックルで痛みが残るので来院

弁証:左太陽膀胱経の経気不利

処置:左胞肓(殿部の経穴)に40mm2番鍼で10分置鍼

経過:治療後に足首の冷えと疼痛が顕著に軽減

   翌日準決勝にフル出場し試合に勝利

   痛みが楽になりプレイに集中できたと笑顔で来院

   足首の局所でなく全身を診ることで

   一本の鍼で気の流れを整え

   患部が温まり疼痛緩和に至ったS先生の症例