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パーキンソン病と鍼灸

こんばんは、長岡哲輝です。

京都大学では、ヒトのiPS細胞からつくった神経細胞を

パーキンソン病患者の脳に移植する手術が世界で初めて実施されました。

iPS細胞:人間の体細胞を取り出し、培養することで様々な細胞(筋肉、内臓、神経)に変化する能力を持つ

パーキンソン病は脳の細胞から放出されるドーパミンという物質が減少することで、

筋肉が硬くなり、体がうまく動かなくなってしまう難病です。

西洋医学では脳のドーパミンを補う薬を使いますが、副作用や薬に対する感受性の低下により、

うまく症状のコントロールができない症例もあります。

当院では、パーキンソン病の患者様に対して、薬物治療と併用して鍼灸治療を行っています。

鍼灸治療を併用することで、筋肉のこわばりが軽減し、歩行や日常生活動作の改善が認められます。

東洋医学的には、筋肉のこわばりを“肝”の病と考え、“肝”と“腎”のバランスを整える治療を行います。

最先端の医療で注目されるパーキンソン病ですが、症状でお困りの方は一度ご相談ください。

パーキンソン病について

パーキンソン病(以下PD)

日本人の1,000人に1人がPDであると考えられ

日本全体で10万人以上の患者さんがいると推定されている

PDは薬物治療を中心として一定の効果をあげているが

平均寿命の延長に伴い治療期間も長期化

その結果、薬の効果の変動や合併症、患者さんのQOLが問題となっている

当院でのPDの症例は2000年以降に増加

鍼灸治療を薬物療法と併用することで

振戦、筋強剛、無動、姿勢反射障害の改善

便秘、睡眠障害、起立性低血圧などの自律神経症状

うつや不安など精神症状、等に対しても効果的で

結果として長期間において患者のQOLを高めることが確認されている

今後はUPDRSの評価を取り入れながら更に検証してみたいと考えている

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ダットスキャンとは

右上肢のこわばりと歩行の不安定が主訴で

内科→整形外科→神経内科→脳神経外科と盥回しにされた挙句

診断がつかない患者さんの話

私の診たてでは最初から”パーキンソン病”

今回神経内科の著名な医師をご紹介した結果

その医師は一目診て”パーキンソン病”でしょうと診たてた

第2日赤病院神経内科で”ダットスキャン検査”を受けた結果

特有の病変が認められパーキンソン病の確定診断となり

抗パーキンソン薬が漸く処方された

ダットスキャンは最近保険適用が認められ

レビー小体型認知症やパーキンソン病の早期診断の道が開けたと言える

http://www.nmp.co.jp/member/datscan/index.html

鍼灸治療と抗パーキンソン薬の併用が有効である

ダットスキャンとは

右上肢のこわばりと歩行の不安定が主訴で

内科→整形外科→神経内科→脳神経外科と盥回しにされた挙句

診断がつかない患者さんの話

私の診たてでは最初から”パーキンソン病”

今回神経内科の著名な医師をご紹介した結果

その医師は一目診て”パーキンソン病”でしょうと診たてた

第2日赤病院神経内科で”ダットスキャン検査”を受けた結果

特有の病変が認められパーキンソン病の確定診断となり

抗パーキンソン薬が漸く処方された

ダットスキャンは最近保険適用が認められ

レビー小体型認知症やパーキンソン病の早期診断の道が開けたと言える

http://www.nmp.co.jp/member/datscan/index.html

鍼灸治療と抗パーキンソン薬の併用が有効である

ドグマチールの副作用と思われる薬剤性パーキンソン病の症例

ドグマチールを数年間内服していた患者さん

食欲が益すからと倍量内服を始めて4週間(担当鍼灸師も医師も知らず)

歩行のふらつき・手の震え・下肢が重だるくて

短距離も歩けないと訴えはじめた

ドグマチールの働きには”ドーパミンを遮断する”とある

薬剤性のパーキンソン病に至った症例

ドグマチールを徐々に減薬し中止、メネシットの処方

鍼治療は補腎と寫火の処置で徐々に改善し

バスでの来院ができるようになった

漫然と数年間にわたってドグマチールを処方することが

如何に恐ろしいかを身近に感じた症例

パーキンソン病経過良好

50代♀

10年前からペンギン様の歩行になり

パーキンソン病の診断

ネオバストン・カバサール・アーテン等を服用するも

歩行の動作開始がしずらく、徐々に歩行が不安定になる

他の鍼灸院にかかるも変化なく

当院のブログを見て来院される

弁証:肝陽化風

処置:百会・行間・照海などを一穴のみ適宜使い10~15分間置鍼

経過:第6診から足の動きが良くなり始める

   最近調子が良いので、仕事を探し始めたり

   3時間スタンディングの歌手のコンサートに行くことができたと

   大変喜ばれる
    

   パーキンソン病に対する鍼灸治療は生活の質を高めることが目標

   趣味や旅行など今までできなかったことを

   楽しむことができるようになることは

   患者さんの大きな喜びであり

   我々の治療が報われるときでもある

   

百会

頭の中央に「百会」というツボがある

このツボは”陽気”を調節する効果に優れている

百会の左右にツボを広げて観察すると

左右に広がったり、偏ったりする場合もある

空間的な偏りを調節することもできる

パーキンソン氏病・パーキンソン症候群共に

「百会」一穴で多くの患者さんに有効性を認めている

但し置鍼時間の判断には経験が必要

数分~20分程度の幅がある

申脈穴

足太陽膀胱経の「申脈」は陽òR脈の主治穴

申脈の申は、神に通じる

神の旁は申である

形成文字で音の部分が同じであったら意味も同一となる

故に「申は神なり」

これがそのまま心に通じている

精神的に不安定な疾患に速やかに効果をあげる

70代♀

パーキンソン症候群による身体の震え

白内Ope後光の眩しさ

右申脈一本で

治療後に目がぱっちりと開き本人驚く

身体の震えも消失

また新たな地平がまた見えてきた

パーキンソン症候群の症例

パーキンソン氏病は中脳の黒質の神経細胞の異常により

ドーパミンという神経伝達物質が生成されなくなる病気

脳の精査で診断されるが、

同じ症状でも脳内に異常が認められない場合

パーキンソン症候群と診断される

脳血管性パーキンソニズムと薬剤性パーキンソニズムがその代表

70代♀

歩行時に右足の運びが悪く足がもつれる

空間診により”右下の気滞”と診たて

右大巨に置鍼10分

直後に歩行して確認すると

足の運びは改善し望診では歩行のふらつきは認められない

自覚症状も軽減した

経過観察が必要であるが

最近のパーキンソン氏病、パーキンソン症候群ともに

全ての症例で鍼の有効性が確認できている

パーキンソン病

せせらぎ街道の紅葉 筆者撮影

パーキンソン病

パーキンソン病の日本における有病率は

10万人当たり100~150人といわれる

特定疾患(難病)指定である

特徴的なのは安静時の震戦(ふるえ)

関節のこわばり

仮面様の顔貌

動作が緩慢

進行すると突進歩行(歩き始めは足が出にくく、止まれない)

抑うつ、自律神経症状

よく似た症状のパーキンソン症候群との鑑別が必要である

以上は西洋医学の情報

東洋医学では

多くの場合”肝気の上亢”によっておきる

”肝風内動”と弁証する

発病して初期には鍼治療が非常に有効

腰痛が主訴で来院された70代の♂

問診、望診でおおよそパーキンソン病による腰痛と診たてた

後で伺うとなんと1年以上前から発症していたが、病院では診断がつかず

つい最近やっとパーキンソン病と診断されネオドパストンが処方された

初診時の舌診では、舌と口唇が激しい震戦を見せていた

第2診目では腰痛消失、言葉も明瞭、緩慢動作も改善

関節のこわばりなし、舌・口唇の震戦なし

腰痛を治しにきたのに全身症状が改善した

病気を治すのではなく、”ヒトを治す”東洋医学の原点である